近くのものをみようとするとき、輻輳とともに、調節と縮瞳(しゅくどう・ひとみが縮まる)が起きます。
これらは密接に関係していて、近見反応といいます。
それを踏まえまして、輻輳には4つの種類があると書きましたが・・・
・緊張性輻輳
第一眼位(水平方向・正面を向いた状態)で、平行眼位を維持しているときの内寄せ。
内直筋の緊張によるもので、覚醒時には常に存在し、睡眠時にはありません。
・調節性輻輳
調節に伴う内寄せ。
調節と内寄せとは近見反応として相伴うものですが多少の過不足はあります。
・融像性輻輳
融像に伴う内寄せ。
調節性輻輳は、同じ人でも必ずしも一定していないため、その過不足を調整するために融像性輻輳が必要となります。
・近接性輻輳
物体が近くにあるという感覚によって起こる内寄せ。
隠れ斜視などといわれる、外斜位や間歇性外斜視では、
第一眼位を維持するために、内直筋を収縮させ、平行眼位を保とうとします。
このときに起こる内寄せは、緊張性輻輳と融像性輻輳です。
近くのものを見るときには、これに調節性輻輳と近接性輻輳が加わります。
目を空けている間は、特に内直筋が頑張っています。
目を瞑って休ませるのはもちろん、
遠くを見たり近くを見たりするストレッチ、眼球を上下左右に大きく動かすストレッチなどで、
休ませてあげましょう。
尚、近視のかた、中高年のかたは、硝子体の撹拌により後部硝子体剥離を誘発する可能性があるので、
ゆっくりと動かしましょう。
さて、現在、割と普及しているこんな視力表があります。

眼前の1m程度のところに置かれる、黒っぽい色をした省スペース検眼機というものです。
画面にはレンズが置かれ、光学的には5m視力表に準ずることになっていますが、
画面の枠、筺体が融像刺激となり近接性輻輳が喚起される恐れがあります。
また、この種類の視力表は視標の背景が黒のことが多く、これも調節の喚起に繋がります。
調節と輻輳は連動していますので、眼位や屈折度数に影響します。
より正確な検査を求めるなら、省スペース検眼機や、3m視力表で検査をすることをやめるべきです。
省スペース検眼機は論外ですが、(
3mのスペースがあれば、ミラー反転で5mにできるはず。
ユーザーのために、検査距離はしっかり5mを確保するべきだと思います。
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