http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20170719/index.html
偶然、過日に、拙ブログでも「寄り目のはなし」
を書いたところでタイムリーな内容でした。
番組では、確か60人中27人(23人だったかも?)が「寄せ目」が出来なかったとか。
「寄せ目」、正確には「輻輳(ふくそう)」といいます。
輻輳の苦手なかたは少なからずいらっしゃいますが、
うーん、無作為に選んだらそんな割合にはならないと思うんでけど・・・・
以前の「隠れ斜視」の特集で、日本人の半分が予備軍、という内容をやったので、
無理やり合わせてる感じがプンプンします。
そして、寄せ目の出来ないかたの頭部をMRIで撮影していました。
眼を瞑って融像(ゆうぞう・左右の網膜像を脳で融合する)を破ると、眼は安静位を向きます。
MRIを持ちださずとも、遮蔽板で片目を隠して動きを見ればわかるのですが・・・
番組でも行われていましたその方法は、「カバー・アンカバーテスト」というカバーテストの一種です。
遠見時なのか近見時なのかで判断は変わりますが、あの動きなら結構な量の外斜位があると思います。
反対の眼もカバー・アンカバーテストをやって、オルタネイト・カバーテストもやれば、
単なる外斜位なのか、間歇性の外斜視なのか定性がわかりますし、
プリズムで中和すれば定量がわかります。
輻輳は、緊張性、調節性、融像性、近接性の4つの種類がありますが、
主に、近くのものを見ようとするときに調節と縮瞳を伴って起こります。
外斜位があると、遠くを見ているときにも融像性の輻輳が起こりますので、
輻輳性眼精疲労、調節性眼精疲労を感じる可能性は高いです。
番組を見たかたとしては、
輻輳の出来ない60人中27人がすべて眼位が外を向いたかた、という印象を持たれたと思うのですが、
実際には、番組で紹介されたおひとり、もしくは、多くてもうおひとり居る程度だと思います。
斜位は日本人の半分にあるというのは間違いではないですが、その多くは軽微なものです。
輻輳に差し障りのあるほどの外斜位のかたの割合は人口比数%程度です。
よって、おひとりかもうおひとり以外のかたは、単純に輻輳が苦手なだけではないかと・・・。
この番組は、何かと大げさな表現が多いように強く感じます。
さて、外斜位による輻輳の無駄遣いであろうと、単に輻輳が苦手なだけであろうと、
輻輳力を鍛えることは大事なことです。
番組では、疲れ目の対策として、1時間に1分の割合で目を瞑る、
重い疲れ目には「プリズム眼鏡」と紹介していましたが、
輻輳力を強化して輻輳余力を獲得しておくことも眼精疲労対策になります。
→ 「寄り目のはなし」
簡単で、短時間に実践できることなので、寄り目が苦手なかたは
是非やってみてください。
尚、番組のHPを見ると、
疲れ目の原因は「寄せ目」が出来ないことにあるようなニュアンスを受けますが、
正確には、前述の、外斜位による輻輳過多に由来する「輻輳性眼精疲労」と、
輻輳により喚起される「調節性眼精疲労」が原因です。
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