白内障手術後のモノビジョンに慣れないというお悩みです。
以前に、こういうブログ記事を書いていますので、
http://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-529.html
http://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-531.html
http://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-573.html
これをご自身、あるいはご家族、ご友人が検索して当店に来られるのかと思います。
白内障の手術の際に、眼に移植する眼内レンズの度数を調節して、
手術後の屈折度数を決定する作業があります。
・遠くに合わせて眼鏡なしで遠方を明視出来るようにする
・近くに合わせて眼鏡なしで身の回りの物を見えるようにする
どちらを選ぶにしても、ほとんどの場合、遠方か近方、あるいは両方に、
眼鏡矯正が必要となることが多いです。
最近では「眼鏡矯正が必要無い(かもしれない)」という選択肢が増えて
・遠近両用眼内レンズを移植する
・片目を遠く、もう片目で近くに合わせてモノビジョン
という方法も提案されるようになりました。
前者は、保険適用がありませんので高額になりますし、
また見え方のクオリティーに多少の問題が残されているようです。
後者に関しては、過去にブログ記事に書いたとおり、
なかなか慣れなくて苦痛に感じているかたが少なくありません。
白内障手術後のモノビジョンとは、人工的に作られた不同視です。
不同視については以下をご参照ください。
http://www.optpal.jp/eyeball/anisometropia.htm
http://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-281.html
手術前が強度の近視性の不同視で、片眼の矯正が不十分だった場合、
例えば、裸眼が
R=Sph-1.00D
L=Sph-6.00D
くらいの強度の不同視で、不等像や左右の度数差に慣れなくて
Rv=(1.5*Sph-1.00D)
Lv=(0.2*Sph-4.00D)
くらいのメガネを常用していたかたならば、
遠方・近方に使う眼の選択を間違えない限り(普通は間違えませんが)問題ない可能性が高いです。
あるいは、手術前、交代性の斜視などで、モノビジョンが常態化していたかたならば、
手術後のモノビジョンにも問題無いかもしれません。
ただし、遠方視する眼と近方視する眼の切り換えが上手くいくとは限りませんが。
逆に、モノビジョンが禁忌と言えるのは、
中型・大型・二種の自動車免許、航空機の免許を所持しているかたは
免許更新時の深視力検査に不合格になる確率は高いです。
禁忌とは言わないまでも、
遠方・近方を問わず、精密な立体視を必要とする職業の方も不向きと言えるでしょう。
自分で実験済みなので確信を持って言えますが、
眼鏡技術者も、モノビジョンは不向きな職業ではあります。(慣れると大丈夫でしょうが)
白内障は若年性のものもありますが、
大体は中高年のかたが受けることの多い手術です。
50年も60年も、両眼融像下で生活してきたかたにとって、
突然のモノビジョンは不自然な環境です。
(そもそも、人間の目が、顔の正面に二つあるのは、
両眼で融像して、立体視するためですから、モノビジョン自体が不自然なのですが)
決して、誰もがダメというわけではもちろん無いのですが、
中には、どうしても受け入れられないというかたが少なからずいらっしゃるということです。
手術前に、装用テストをしてモノビジョンの適否を確認できればよいのですけれど、
手術が必要なほど白内障が進行していると視力が不十分なことがほとんどで、
それも無理な話と言えましょう。
自分も50歳を超えて、近い将来に白内障手術を受けることになるかもしれません。
その時にどんな屈折度数を残すのか、今のうちに装用テストをして決めておこうと思います。
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