両眼ともに白内障手術を受け、それ以来、長期間にわたり
複視に悩まされていらっしゃいました。
ドクターに何度も訴えたそうですが、
「左右の度数に差があるからそんなもん」
と全く取り合ってくれなかったそうです。
病院名を聞くと、視能訓練士が常駐するはずの総合病院でした。
視能訓練士のかたは、子供の斜視弱視専門で、
大人の斜位にはノータッチなのでしょうか。
完全矯正値は
R=Sph-4.25D Cyl-0.50D Ax15
L=Sph-2.00D Cyl-0.50D Ax60 4.5△B.up
でした。
上下の度数差が約2.50Dあります。
不等像は起きていませんでしたが、
不同視の上下斜位は難しい面があります。
視線が光学中心を通っているぶんには4.5△のズレですが、
光学中心を上下に外れると、ズレの量が変わります。
これを光学的斜位と言います。
視線が光学中心から10mm外れると、2.5△のズレになります。
すなわち生理的なズレ(斜位)と光学的斜位が合算されて、
上下のプリズム量が変わってしまうのです。
左右の度数が同じで、眼の高さが左右で同じなら、
光学斜位は発生しません。
また、下方回旋すると、上下の斜位を吸収してしまう場合があります。
遠見眼位では上下のズレがあっても、下方回旋した近見眼位では
ズレが検出できないことは良く経験します。
ですので、水平視線で歩く場合と、下方回旋して足元を見ながら歩く場合とでは
適切なプリズム量が変わることがあります。
そんなこんなで上下斜位の矯正は難しいことも多いのですけれど、
少なくとも、まったく考慮されていない現メガネよりは、
複視の症状の改善に役立って快適なレンズを提供できると思います。
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