
遠近両用眼鏡に合成プリズム入れれるのか
合成プリズムというのは、一般的には、水平方向と垂直方向のそれぞれのプリズム度数を合成したものをいいます。
私たちの通常業務でプリズム処方をする場合、水平と上下を分離した度数で測定しますし、
レンズ発注の際にも、第一プリズム、第二プリズムという風にそれぞれ入力します
例えば、「3△ベースイン 1△ベースアップ」というかたちです。
ただ、フレネル膜プリズムを使用する場合は、プリズムの基底(ベース)は一方向になりますので、
度数は水平と上下を合成したものになります。
三平方の定理や三角関数を駆使して計算もできますが、
グラフ用紙に線を引いてベクトル合成するのが一番簡単です。
最近は、レンズの度数を測定して光学中心に印点をする機械、
通称「レンズメーター」がデジタル化して、プリズムが分離していようが合成されていようが、
表示を自由に切り替えて確認できますので、
プリズムの取り扱いは非常に簡単になりました。
さて、遠近両用レンズに合成プリズムを入れられるかという疑問ですが、
もちろんレンズが製作できる範囲で入れられます。
レンズの種類や屈折率によりますが、合成して3△~5△までの上限となっている場合が多いです。
ただし、レンズの製作範囲表に5△となっていても、
電話で工場と交渉すれば、それ以上のプリズムも入れられることが多いです。
余談ですが・・・
某メーカーが、遠用と近用で、プリズム量を変えられる累進レンズを開発中だそうです。
遠見は正位でも、輻輳障害で近見時に外斜位になるかたも多いので、
装用感に問題がなければ有用なレンズになるかもしれません。
遠見と近見で上下のプリズム量も自由にコントロールできるならば、
不同視のかたの累進レンズも、現在よりは有効に使えるようになるかもしれません。
ただし、これまでに存在しない全く新しい技術ですので、
これを上手く活用するには、相当の勉強をしないといけないでしょうねぇ・・・ ^^;
私としては、興味があるし、楽しみです。 (*^^)v
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