眼内に挿入するIOL(眼内レンズ)の度数を調整して、
遠点(調節力はゼロですので、遠点イコール近点になります。)をどこにもっていくか、
普通はインフォームドコンセントがあります。
・遠くに合わせて眼鏡なしで遠方を明視出来るようにする
・近くに合わせて眼鏡なしで身の回りの物を見えるようにする
という方法にはどちらにも利点があり、同時に欠点はあります。
ここで、いっけん魅惑的な、誘い(?)の言葉があります。
片目を遠くに合わせて、もう片目で近くに合わせると
眼鏡なしでどちらも見えるよ
人工的に不同視を作って、単眼視(モノビジョン)を行うようにします。
一見、便利にも思えますが、これがなかなか慣れるまでが辛いようです。
白内障手術を受けられる方は、ご年配のかたが多いです。
60年も70年も両眼同時視で生活して来られたかたが、
あるときから突然に単眼視しろと言われてもいきなり上手くいきません。
遠くがはっきり見えている像に、反対の眼のボヤけた像が被ってきてスッキリしません。
逆に近いところを見る時は、眼が左右逆転するだけで同じ状況になります。
手術を受けた先生に相談しても、「慣れないとダメ」といわれるだけで、
メガネでなんとかならないか?
と、私どものところに相談に来られるわけですが、
2.0Dとか3.00Dなどの強度の不同視があると、やはりメガネ調製はむずかしいものがあります。
過去に
根拠の無い2.0Dの差
というブログ記事を書いてはいますが、
ある程度の年齢になって、突然作られた不同視は、やはり矯正は難しいことが多いです。
お若い頃に比べて順応性は低下していますし、
強度不同視では、視線をレンズ上の上下に動かす累進レンズなどは、
左右での上下プリズム差が発生するため装用は難しいことが多いです。
結果として、単焦点の遠用メガネと近用メガネを掛け替えて使うことになったりします。
術前も、遠用メガネと近用メガネを掛け替えて使っていたかたならともかく、
累進レンズを充分に使いこなせていたかたは、
モノビジョンのリスクをよく考え、ご自身のライフスタイルに合った選択をおすすめします。
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