近視を過矯正にすることについては、それを是とする道理的な理由は見当たりません。
眼位が正常で、且つ、輻輳機能が低下している場合に、
調節性輻輳の喚起を期待してマイナス処方をするという理屈はありますが、
必ずしも現実的な対応では無いと思います。
おそらくは、「近視の過矯正はよろしくない」
というのは、全世界的なコンセンサスになると思うのですが、
実際は、近視にも関わらず過矯正のメガネを掛けているかたは少なくないと感じます。
原因は、これまで何度も書いておりますように、検査中の「調節力の介入」です。
オートレフでピッと測定した度数をそのまま処方、
オートレフの値でレッドグリーン視標を見せて緑が強くないことだけを確認して処方、
フォロプター(レフタクターヘッド)で測定するだけで試験枠で確認しない、等々、
まあ無責任としか言いようのない検査が横行しています。
オートレフにしろレッドグリーンにしろ、測定するのはその一瞬です。
オートレフには調節を緩解する所動作が行われますが、完全とは言い難いです。
レッドグリーンに関しては、「赤>緑」「赤=緑」の状態は、
調節力が介入している可能性を考えれば信用できません。
唯一信用できるのは「赤<緑」の状態で、これは調節力の介入の有無に関係なく、
網膜後方に結像していることを意味します。
特に、片眼遮蔽している場合のレッドグリーンは、
調節力が介入していることを前提で取り扱うべきだと考えます。
フォロプターを覗き込むことによる器械近視の発生は常に指摘されます。
調節刺激の多い近接BOX型視力表との相性は悪いです。
まあ、とどのつまりはいつもの結論に落ち着きます。
両眼視機能検査の上に、両眼開放屈折検査をいたしましょう、
というところです・・・^_^;
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