その前に、遠視とはどういう状態かをおさらいです。
こちらのページをご覧ください。
→ http://www.optpal.jp/eyeball/hyperopia.htm
遠視(以降、遠視性乱視を含むとします)を低矯正にすることは、
弱い遠視が残ることを意味します。
そうしますと、眼は余計な調節(輻輳・縮瞳も連動)をすることになり眼精疲労の一因となります。
したがって、遠視は完全矯正にするのが基本です。
強度の遠視で、完全矯正すると空間の違和感が大きく装用が困難なときなど、
低矯正にせざるを得ない場合はありますが、
それでも将来的には完全矯正に移行できるように度数を選択していくべきです。
この、空間の違和感が大きく装用が困難、という状況はたまに経験します。
主に、医学用語で「老人性遠視」と表現される、中高年以降に発生する遠視のケースです。
若い頃から視力が良くて、眼に自信を持たれていらっしゃるかたに多いです。
「老人性遠視」とは中高年以降に見られる現象で、
水晶体の水溶性タンパク質の変質、それに伴う扁平化など、複数の要因が絡み、
眼球全体の屈折力の低下により起こります。
近視のかたの度数が弱くなったり、正視のかたが遠視になったり、遠視のかたがさらに進む、
という形となって現れます。
同時に倒乱視の発生、乱視軸が垂直方向へ変遷することも多いです。
正視や、弱い遠視のかたは、ご自身の視力に自信を持っています。
そして老人性遠視は急激に起こる変化ではなく、じわじわと進行していくものですので
なかなかご自身の視力が低下していることには気付きません。
なにかの機会、たとえば、眼科での検診や自動車の運転免許更新などで
視力の低下を指摘されることで、はじめて気付くことが多いです。
こういう形で、気付かないうちに大きく遠視が進行してしまったときに、
完全矯正値のメガネでは空間の違和感が大きく装用出来ない、というケースが発生します。
装用できるギリギリの強さの度数から初めて、
徐々に完全矯正に近づけていくしかありません。
が、たまに眼科から、、完全矯正に近い処方を受け、
メガネを作ったもののなかなか掛けられないかたに出くわします。
眼科からは
「掛けているうちに慣れる」
「掛けてないとダメ」
と言われ・・・・
それはその通りなのですが、なかには受け入れられないかたもいらっしゃるのです。
こんな時は、時間を掛けて説明と、処方値の決定をしないといけないのですけれど、
忙しい医療の現場ではおそらく無理だと思います。
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