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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

老視のメカニズム

検索キーワードにこういうものがありました。
けっこう誤解されているかたがいらっしゃるので、少し長くなりますがご説明いたします。

keyword_31.jpg

老視のメカニズムを説明する前に、
まずは、老視・老眼とはどういうものかは
→こちらをご覧ください。
(20年ほど前に3日ほど徹夜して作った力作ですw)


老視を一言で言い表すならば、「調節力の低下による近見障害」ということなのですが、
そのメカニズムを説明する前に、水晶体の生理から始めたいと思います。


水晶体は虹彩の後方、硝子体の前方、瞳孔領に位置する凸レンズ状の透明な組織で、
水晶体囊(のう)に包まれた水分とタンパク質から成ります。
神経・血管は無く、栄養は房水と硝子体から来ます。

水晶体の前面を前囊部、後面を後囊部、周辺を赤道部と呼びます。
中央部の水晶体線維は、年齢とともに濃縮されて硬くなり、核を形成します。
核と水晶体囊の間の柔らかい部分を皮質と言います。

水晶体の赤道部と毛様体突起との間に、水晶体小帯(Zinn氏体)と呼ばれる
細い繊維が張っていて、水晶体を固定しています。

水晶体は、自らの弾性で厚みを増そうとしています。
毛様体筋が収縮すると水晶体小帯は弛緩し、水晶体は凸レンズの厚みを増し、
屈折力が増えます(調節状態)。
毛様体筋が弛緩すると、水晶体小帯は引っ張られ、水晶体は薄くなり、
屈折力は低下します。(遠見状態)



さてここからが老視のメカニズムです。

年齢とともに、柔らかで弾力性のある水晶体皮質が濃縮され核に置き換わり、
核は大きくなり、硬くなっていきます。
それにつれ、水晶体自体の持っている弾力性が減少し、調節に時間が掛かったり、
さらには調節力が低下して近見に必要な調節力が得られなくなります。
これが老視です。
つまり、加齢による水晶体蛋白の不可逆的変化ということです。


ほとんどの場合、眼科専門医ではない人物なのですが、
老眼の原因は、毛様体筋の筋力の低下にあり、
調節トレーニングで治る云云、などと提唱していたりしますが、
その時点で論理が破綻しております。


ただし、そのトレーニングを行うことは、毛様体筋を鍛える目的はともかくとして、
全く意味のないことではないです。
主に、遠くを見る、近くを見るを繰り返すプッシュアップのようなトレーニングになるわけですが、
それは、輻輳(ふくそう・寄り目)のトレーニングと同じ動きです。
輻輳力の低下によっても近見障害は起きますし、
年齢とともに基礎眼位は外に行き(外斜位化)、輻輳力(ふくそうりょく)は低下しますので、
そちらには役に立つとは思います。


事実、私は輻輳不全のかたのトレーニング指導の関係で、プッシュアップを良くやります。

結果として、ビジョントレーニングを手掛ける前には2△ほどの外斜位があったはずですが、
今は、偏光視標でもフォン・グレーフェ(プリズム分離)でも外斜位を検出することは難しいです。
(酔うと出てきます)
米国式21項目検査における、遠方内よせ検査(#10)、近方内よせ検査(#16B)では
フォロプターの最大プリズム量(40△B.out)を入れても分離しません。
ちなみにモーガンの期待値は、#10=19±4、#16B=21±3(ともに分離)です。
もの凄く輻輳力は強くなりました。

しかしながら、私の年齢ですと2ディオプトリ弱は期待される残存調節力は、
#19ABどちらでもほぼゼロです。
これはかなり早い段階で調節力は無くなっていました。


直接的な老眼の改善には繋がりませんが
やって損なトレーニングではないということです。
特に外斜位のあるかたには、輻輳余力の強化のために、やっていただきたいトレーニングです。
あるいは、もしかしたら、という程度のものではありますが、
老眼の進行を少しくらいは遅らせることが出来るかかもしれません。


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