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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

色収差

レンズの種類、レンズの性能というと、つい屈折率の数値に目を奪わがちですが、
レンズの性能を評価する三大要素と呼ばれるものがあります。
「屈折率」「比重」「アッベ数」です。アッベ数とは「色収差」の発生と関係があり、
光の分散率のことです。数値が大きいほどレンズとしての性能は良いと評価されます。


色収差とはこういうものです。

irosyuusa.jpg

ランドルト環の色のにじみや、検査機の黒い影に色が付いて見えています。

現在、流通しているプラスチックレンズの屈折率、比重、アッベ数の
代表値をレンズメーカー発行のガイドブックから拾ってみました。

屈折率 比重 アッベ数

1.50  1.32  59
1.56  1.17  38
1.60  1.30  42
1.67  1.35  38
1.70  1.41  36
1.74  1.47  33
1.76  1.49  30


これら3者は微妙に連動しており、その相関関係が見て取れます。
例えば、屈折率を上げると、比重は上がり、アッベ数は下がります。
つまり、屈折率を上げてレンズを薄くすると、
体積は減りますが比重が上がるので、総重量としては必ずしも軽くなるとは限りません。
そして、アッベ数は下がり、色収差が起りやすくなる、ということになります。

色収差は、掛けるかたによって感じ方は様々です。
物凄く敏感なかたもいるし、全然気付かないかたもいらっしゃいます。
私などはかなり敏感なほうで、1.60のレンズならOKですが、
1.67では色収差が気になってダメです。

また、レンズ素材には、耐衝撃性や耐熱性、耐候性など
他にもさまざまな要素が求められますし、
メーカーのコーティング技術にも差があるのですが、
それらが比較的高水準にまとまっているのが屈折率1.60のものです。
余り度数が強くなければ、それ以上の屈折率のものは必要ないと思います。

たいして強い度数でもないのに、「すごく厚くなりますよ!」と
最も薄くなる(そして最も単価の高い)世界最高屈折率を持つ
東海光学ベルーナZX両面非球面レンズを強引に薦めてくるチェーン店があるようです。
(しかも、超硬静電気防止ブルーカットコートのフル装備です)

1.74や1.76のレンズは厚みは確かに薄くなりますが、
1.60のものと厚みの違いを比べて価格差に見合う価値があるかご確認ください。
そして、1.76は比重も大きくアッベ数は低いですし、
ナイロールなど溝掘り加工をすると1.60、1.67、1.70のレンズに比べて欠けやすいです。

もちろん、ほんのわずかでも薄くしたいという要求があるのでしたら、
屈折率は大きいほうが薄くなるのは間違いないです。
そして、ガラスにはさらに大きな屈折率を持つものはあります。

金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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