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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

遠点と近点

調節」という単語には、
一般的に用いられる「control」の意味合いと、
眼のピント合わせ能力である「accommodation」の意味があり、
混在するとややこしくなりますので、以降、注釈をつけておきます。



メガネは、視力を矯正する道具でありますが、
ピントの合う距離を調節(control)するものでもあります。
ピントの合う距離を調節(control)した結果として、
所定の距離で得られる視力が変わるものです。

目には、ピントの合う最も遠い点があり、これを「遠点(えんてん)」と言います。
ピントの合う最も近い点は、「近点(きんてん)」と言います。
メガネは、この遠点と近点のどちらか、あるいは両方を設定するものと言えます。


正視のかたは遠点が無限遠にあり、近視のかたは眼前の有限の距離にあります。
遠視の方は、理論としては目の後方に焦点があるとされるのですが、
後ろは見ることができないために遠点は存在しないということになります。
現実的には、ピントが合っていなくてもそれなりに見えるので
「見えない」わけではありません。

meishiiki.gif

上図のように、「1.00Dの近視で、1.50Dの調節力のある眼」の場合、
遠点は100cm先にあります。
最大限に調節(accommodation)すれば、眼前40cmまで明視することができます。
繰り返しますが、あくまでも正確にピントが合う距離であって、
遠点以遠、近点以近は見えないわけではなく、
離れれば離れるほどボヤける量が増えるということです。



調節力が充分にあるときは、メガネレンズによって遠点の位置を無限遠か、
それに近いところに置いておけば、近くは調節(accommodation)を働かせて見ることができます。

調節(accommodation)する力が無くなったら、すなわち老眼の状態ですが、
メガネレンズによって、近点の位置を調節(control)することで近くを明視することができます。
同時に、遠点の位置も眼前の近くに設定されてしまいますので、
老眼鏡を掛けると遠くは見えなくなります。

つまり、調節力が低下すると、明視域が狭くなってしまうということです。


遠近両用レンズや中近レンズというのは、この遠点と近点の両方の位置を調節(control)して、
広い明視域を得ようというものです。
ただし、生身の眼のように、オートフォーカスでピント合わせをしてくれるものではなく、
レンズ面に度数の変化を持たせて、目視距離に応じて視線の通る位置を変えて使う必要があります。

一般的に遠近レンズの場合は、外出時や、自動車の運転なども前提にして使いますので
遠点を無限遠か、それに近いところに置きます。

拙ブログのエントリー「中近レンズのススメ」で触れているのですが、
中近レンズの場合は、それぞれの目的距離に応じて、
遠点を無限遠に置いてもいいですし、眼前の有限距離に置く方法もあります。
パソコンや、ピアノ、ギター、大正琴などの楽器用として使う場合は、
主に視線の通る位置の度数を計算して、遠用度数と加入度数を決めると使いやすいです。


以上、メガネの度数決定の上で重要な、「遠点」と「近点」のお話でした。

金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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