長年、ハードコンタクトレンズを装用なされた眼瞼下垂の手術を控えたかたなのですが、
病院からは、手術の2週間前からコンタクトレンズはしないようにと注意を受けたために、
その間、生活できるようなメガネを求めて来られました。
かなり古いメガネでしたが、
R=Sph-2.00 Cyl-1.00 Ax60 ADD1.00
L=Sph-4.00 Cyl-1.00 Ax125 ADD1.00
を掛けていらっしゃいました。
ハードコンタクトは前日から使っておられませんでしたが、
何となく視力が出にくい、クロスシリンダーによる乱視検査に於いて重要な、
最小錯乱円の位置がわかりにくい、クロスシリンダーの返事が曖昧など、
スペクタクル・ブラーが残っている感じが強くありました。
それでも、ルーチンワークを何度も繰り返して、
再現性のある(≒信頼性がある)データ
完全矯正値
R=Sph-3.00 Cyl-1.00 Ax25
L=Sph-5.25 Cyl-1.00 Ax130
は得ることが出来、境目のない遠近両用(累進)レンズで調製しました。
ただし、度数の変化の可能性は否定できないために、
適応になるかは不明でしたが、「60日間保証」のあるメーカーのレンズにしました。
「60日間保証」というのは、レンズ度数、硝種に何らかの不具合があった場合に
度数、硝種を交換して貰えるというシステムです。
(私個人としては、このシステムに諸手を挙げて賛成、という訳ではないです。
理由はまた次の機会にいたします。)
手術が終わり、抜糸して落ち着いたころにもう一度ご来店をお願いしておりましたが、
無事に手術が成功して約30日、前回のメガネ調整から50日めに来店いただきました。
手術後はコンタクトレンズを装用していないということでしたので、
すでにスペクタクル・ブラーは完全に消えているはずです。
今回はクロスシリンダーの返答も明瞭で、スムーズに視力も出ました。
完全矯正値は、なんと!
R=Sph-4.00 Cyl-2.00 Ax30
L=Sph-5.50 Cyl-5.00 Ax146
この強烈なスペクタクル・ブラーの原因は、
酸素透過性ではないハードコンタクトレンズが、
眼瞼下垂による瞼の圧力で、より角膜を圧迫していたと考えるのが自然です。
30年近い眼鏡屋稼業で経験した、もっとも大きなスペクタクルブラーでしたので、
勉強させていただいた授業料代わりに、レンズを無償交換しても良かったのですが、
メーカーが60日間保証で対応していただけるという結果になりました。
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