当店では、土曜日と日曜日に多くのかたにご来店いただいております。
そして、「今から行っても大丈夫か?」などの電話も多くいただくので、
土日は忙しくしていることが多いです。
そんな土曜日の昼下がりに電話が鳴りました。
メガネのことを色々調べているというそのかたは、
いきなり、眼光学に詳しいかたに変わってください、とおっしゃいました。
私しかいない、とお答えしますと、
「見掛けの調節力のことは知っているか?知っているなら教えてくれ」
といういうな感じで不躾に聞いてこられました。
また、無調節時に、毛様体筋が弛緩している時、水晶体を引っ張る力はどこから来ているのか?
という趣旨の質問もあったと思います。
要するに、毛様体筋が弛緩しているのに、どうして水晶体を引っ張る力が働くのか、という意味かと思います。
これまでに何度も当ブログでお伝えしておりますように、
人に教えを乞う時には最低限の礼儀は弁えるべきだと思うのです。
別に金品をよこせと言ってるわけではなく、
まともに名乗りもせずに、電話で不躾に聞いてくるような横着なものではないということです。
お答えする義務も義理もございませんし、そういう電話のお相手をしているほど暇でもありません。
第一に、「貴方は、勉強してますか?眼光学とか詳しいですか?わからないんですか?」
などと矢継ぎ早に、且つ、なぜか上から目線で
礼儀知らずな言葉遣いを投げかけてくる様子に
電話口ではお答えすることはいたしませんでした。
見掛けの調節力というのは、
屈折異常のあるかたがメガネにより屈折矯正している場合、
眼鏡レンズと眼との間に距離(頂点間距離)があるために、
近視眼では正視眼に比べて少ない調節力で済み、
遠視眼では正視眼に比べて多くの調節力を必要とする、というものです。
その量の計算式も知られていますが、割愛します。
調節については
毛様体筋は調節するときは輪状筋(Müller筋)が収縮、
毛様体筋の内径が小さくなりチン氏帯の張力が減少して水晶体が自己の弾力で前方に膨らんで屈折力が増す。
調節が弛緩するときは縦走筋(Brüke筋)が収縮、
脈絡膜の弾力(強膜も)によって毛様体筋の内径が大きくなりチン氏帯の張力が増し水晶体を引っ張ることで屈折力が減少する。
ということになっています。
Helmholtz説では毛様体筋の前後の移動も唱えられていますが、
メカニズムとしてはこんなところです。
ご自身で色々調べているということですが、
この程度のこともわからずに質問されるということは、
Müller筋やBrüke筋、その神経支配を電話口で話したところで理解もしてもらえないでしょう。
このかた、眼鏡技術倶楽部のメーリングリストでも話に出てきたかただと思われます。
おそらくアチコチの眼鏡店に電話をしてこんな質問を繰り返しているのではないかと。
そんなに勉強がしたいのなら、眼鏡屋に電話して聞くような能率の悪い事はせずに、
「眼鏡学教本」「眼鏡士読本」「眼鏡光学ハンドブック」など数冊購入して
独学でお勉強なさった方が良いですよ。
そして、もし当店に、眼鏡購入目的ではないテクニカルな質問がある場合、
自身のお名前・所属などを明記して、メールでご連絡ください。
匿名の質問にはお答えいたしません。
金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)
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