どこのどなた様が言い始めたのかは存じませんが、
「眼鏡屋は半医半商」だとか・・・
文字通り、半分医業で半分商業(半分医者で半分商人かも)という意味らしいです。
誰だったか記憶が定かではありませんが、
眼鏡学校の授業でも、この言葉を先生(素性は大阪の眼鏡屋のおっちゃん)から聞いたことがあります。
「眼鏡屋の仕事は半医半商だから、しっかり勉強せい!」って趣旨でしたかね。
馬鹿なことを言っちゃいかん!
そんなおこがましいことを言ってはなりません。
自惚れるんじゃねぇ!
そんなこと言ってっと医師法違反でしょっ引かれっぞ!

眼鏡作製技能士になるための検定試験の唯一のハンドブックとなる「眼鏡学教本」の
第7部・企業倫理とコンプライアンスの第2章・眼科専門医との連携という
医行為はイカン!と明記があります。
よって「半医半商」というスタンスは医師法に抵触する恐れがあります。
私は、
・屈折異常(近視・遠視・乱視)
・老化現象に起因する調節不全(老眼)
・生理的な視線のズレ(斜位)
は、病気という器質的な変化ではなく、
医学的原理ではなく光学的原理に基づいて矯正し得るものであり、
それを矯正するメガネは光学機器であって、工業製品だと思っております。
例外的に、
小児の斜視・弱視治療用の矯正眼鏡や、網膜色素変性症の遮光眼鏡など、
医師の処方箋に基づいて調製(作製)が必要であるメガネは医療用具ではありますが、
この医療用具を調製する際にも、
光学機器として組み立て人間工学に基づきフィッテイングしてユーザーにお渡しする私たちの業務の過程には、
医行為の介入する余地はありません。
よく人の目をカメラに例えたりしますが、
それに当てはめると、メガネというものは、
一眼レフやミラーレスのレンズ交換式カメラの交換レンズということになります。
さらに言うと、カメラのレンズが水晶体に相当すると考えますと、
スマートフォンのカメラに取り付けたりする外部補助レンズみたいなものですかね。
レンズを交換しても光学的に矯正できない、あるいは、矯正しても像の解像度が悪い、ということならば、
カメラ本体の異常ということになるので、当然ながら本体の修理が必要です。
それは私たちの日常業務では、専門医の受診を勧めることであり、それは医行為には当たりません。
ですから、「半医半商」ではなく「半工半商」が正しいと思うのです。
でも世の中、光学機器とも言えない消耗雑貨品のようなメガネが溢れていますがね。
言うなれば、必ずしも半半とは限らず、「一工九商」や「九工一商」のような店も存在するわけでして、
「工」が圧倒的に低くなってきているのが現状です。
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