主訴は「眼精疲労」です。
片眼遮閉屈折検査から両眼視機能検査を経て、両眼開放屈折検査にて
R=Sph-10.00D Cyl-0.25D Ax40
L=Sph-11.00 Cyl-1.00D Ax165 6.50△B.In
の完全矯正値を得ました。
ワース4灯は正常、
輻輳近点は5cm程度で、眼球運動には問題ありませんでした。(むしろ良好)
所持のメガネは、
遠用(常用)
R=Sph-7.00
L=Sph-7.50d Cyl-0.50D 180
近用(勉強用)
R=Sph-5.00D
L=Sph-5.50D Cyl-0.50D Ax180
常用のコンタクトレンズは
R=-5.00D
L=-5.50D
です。
眼科で「目が疲れる」と訴えるたびに、コンタクトもどんどん弱くなっていって、
遠用眼鏡でもコンタクトレンズでも0.3とか0.4がかろうじて見える程度になっていました。
勉強用にいたっては遠点距離が20cmほどで、むしろ猫背になって顔を近付けていないと見えていない状況。
18歳で調節力も充分あり、
6.5△の外斜位がありながら輻輳近点5cmまで持っていける良好な輻輳力があります。
目が疲れる原因は、
むしろ、弱すぎて見えなさ過ぎる屈折矯正にあるのだろうと推測して、
そして、外斜位による輻輳性眼精疲労の可能性も考慮して、
常用度数を
R=Sph-9.00D Cyl-0.25D Ax40 1.50△BIn
L=Sph-9.50D Cyl-1.00D Ax165 1.50△B.in
としてメガネを調整しました。
内心必要ないのではないかとは思ったのですが、ご希望により
勉強用として
R=Sph-6.75D Cyl-0.25D Ax40 1.50△BIn
L=Sph-7.25D Cyl-1.00D Ax165 1.50△B.in
を、使用中のメガネのレンズと交換しました。
(常用眼鏡に慣れるまでの橋渡しとしても使えます)
現在、ご本人は大阪に行かれているということですが、
先日お母さんから連絡がありまして、
「良く見えるようになって快適だ」
というをおっしゃられていたそうです。
良かった、良かった・・・
たまに、
「見え過ぎて疲れる」
という摩訶不思議なフレーズを聞きますが、
見えることは当たり前であり、見え過ぎるなんてことはあり得ないと思うのです。
「見えてはいけないものが見えてしまう」というかたはいらっしゃるのかもしれませんが、
それはまた別の次元の話です。
「見え過ぎる」と
「強過ぎる」は違います。
近視の過矯正、遠視の低矯正、すなわち遠視性デフォーカスという屈折状態では
「強過ぎる」ということになり、これは良くありません。
そうではなく、適正な屈折矯正をすることにより、網膜上にフォーカスが合う屈折状態で得られる見え方は
当たり前のものが当たり前に見えているだけであり、
決して「見え過ぎ」ではないのです。
むしろ、「見え過ぎて疲れる」という状態は、
それまでが「見えなさ過ぎている」のだと思います。
見えなさ過ぎる状態に慣れてしまっていて、
当たり前に見えるようになると情報量が増えて脳の処理が追い付かないということでしょうか。
この国では、近視のメガネは弱く合わせる方が良い、
というエビデンスに反した古い考えが未だに根強く
弱すぎるメガネで損をしているかたが多いように思います。
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