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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

プリズム矯正のご相談

過日のことですが、

・自分は「斜視」であるらしい。
・そちらのホームページでプリズム矯正という方法があると知った。
・一度相談したい。


このような電話を頂戴しました。

斜視ならば、プリズムの適応ではありません。
斜位ならば、プリズム矯正できる可能性があります。
間歇性斜視と呼ばれる「斜視」は、条件により両眼視は可能なので、むしろ「斜位」です。
プリズム矯正の適応もあるかもしれません。

ただ、眼鏡業界に従事している人間ですら、斜視と斜位の違いを理解していないほどなので、
一般のかたがその違いをご存じだとも思いませんので、
ご予約を賜りました。


そして後日、ご来店いただきました。
普段は裸眼で生活しているとのことなので、裸眼視力はそこそこあるらしいので、
まずは屈折検査よりも、眼位の定性を知りたいので、遠見のカバーテスト。
カバー・アンカバーテスト、オルタネイトカバーテストの結果、
恒常性の外斜視、右上斜視があるようでした。
残念ながら、プリズム矯正の適応では無いことをご説明しようと思ったら、
ちゃんと両眼視をして私のほうを見ていらっしゃる感じです。

眼前にペンライトを示して、同じくカバーテストをすると、
やはり、かなり量は多いですが、外斜位・右上斜位で両眼視は可能でした。
プッシュアップで輻輳近点は10cm弱。
Bagorini Striated Glass Testでも、3mちょっとまでは中心窩融像が確認できました。

210623_1.jpg
Bagorini Striated Glassを45度に置いた時の見え方

これだけでは断定は出来ませんが、開散過剰型の外斜位の可能性が高いです。
簡単に説明すると、開散過剰型とは、近いところは両眼視できますが、
左右の視線が水平になろうとすると(遠見)、外側に引っ張られて視線が外を向くタイプです。
(みかけ上の開散過剰と真の開散過剰、運動因子と感覚因子などがあって単純な話ではありません)


しかし、オルタネイトプリズムカバーテストが中和するほどの量までプリズムを入れても
遠見(5メートル視力表)の両眼視は確認できませんでした。


お話を伺うと、
18歳の頃まで、東京にある有名な大学病院で定期検査を受けていたこと。
斜視手術の話も出たが、今やっても「戻り」が出てしまうのでもう少し待とう。
そうこうしているうちに、大学の受験や進学で忙しく、通わなくなってそのままになったそうです。(十数年)


ということは、十数年前には手術の適応はあったということなので、
もしかしたら今でもあるかもしれません。
当店のお客様にも、20代、30代で斜視手術を受けられて、両眼視を得ているかたがいらっしゃいます。

ですので、眼科を受診するようにアドバイスいたしました。
とはいっても、多くの開業医では、大人の斜位は見て見ぬ振りをされてしまう可能性があるので、
視能訓練士が常駐して、大人の斜位でも診ていただけることを確認している眼科への紹介状を書きました。
こちらの眼科では、自院での斜視手術はしておりませんが、
もし斜視手術の適応があるならば、大学病院へ紹介していただけるようになっています。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)


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