屈折検査の作法にも色々あるとは思いますが、
私のルーチンワークとしては、
片眼遮閉屈折検査で左右各眼のほぼ完全矯正値を把握した後、
カバーテスト、プッシュアップで両眼視機能の大まかなアタリを付け、
一部融像除去眼位視標を使い両眼視の評価をし、
必要ならばプリズム矯正をした上で、
両眼融像下でクロスシリンダーを行い(両眼開放屈折検査)、
調節を充分に寛解させてから(調節寛解テスト)、
左右眼の調節バランスを取って(調節バランステスト)、
最終的な完全矯正値を得るというのが手順になります。
フォロプター(レフラクターヘッド)は使わずに、試験枠でやります。
また視力表は5メートルのものを使います。

試験枠・クロスシリンダー・偏光板

テストレンズ・ペンライト・手持ち偏光など

5メートル偏光視標付き視力表
文字に起こすと複雑なように見えますが、
すべては余計な調節の介入を防ぎ
精度の高い完全矯正値を得るためです。
それで得られた完全矯正値ですが、
遠視(遠視性乱視も含む)、混合乱視の場合は、そのまま装用度数にするのがベストです。
(装用感の問題で出来ない場合もあります)
近視(近視性乱視も含む)でもそうするのがベストだと思うのですが、
この国では近視のメガネは低矯正が良いという説が幅を利かせており、
それに慣れたかたの場合は、完全矯正値にすると「見えすぎて疲れる」などということになりますので、
その場合は装用者との相談で雲霧する(≒弱くする)ことになります。
で、昨日の記事の問題は、この装用者との相談に於いてコミュニケーション不足だったという訳です。
その前に、完全矯正値を取得することが出来ていなかった可能性もあります。
それと、その眼科は私も通院したことがありますが、その時は3m視力表でした。
クロスシリンダーはおろか、乱視検査の放射線も提示してくれませんでした。
乱視度数はオートレフ任せで、片眼遮閉で度数をすこしづつ上げて行って1.0だか1.2が見えた時点で他眼の検査となり、
眼位検査、調節寛解やらバランステストも無く、2分くらいで終わりました。
こんな検査で眼鏡処方箋出されたら迷惑だ、と思った記憶があります。
ただたくさん検査すれば良いものでもないですが、
必要最低限の検査は省いてはいけないと思うのですけれど。
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