顎を台の上に乗せてピッピツと屈折度数を測定する装置があります。
オートレフラクトメーターといいまして、おおよそ何処の眼科でも眼鏡店でも設置してあるでしょう。
これを「他覚的屈折検査」といいます。
これで得られたデータを基に、検者と被検者が対話方式で、
より正確な屈折度数を求めて行くものを「自覚的屈折検査」といいます。
なんか、この自覚的屈折検査を省くメガネ店があるとか聞きますが恐ろしいことです。
それはさておき、
この自覚的屈折検査の過程で
反転させた前後でどちらが見え易いかを問う場合があります。
この「トワール」「クロスシリンダー」と呼ばれる検査器具を使う場合などです。

あるいは、この「レッドグリーンテスト」や、偏光板を使った「偏光レッドグリーンテスト」では、
赤が見易いか緑が見易いかを尋ねられます。

明確に違いを感じられるときは、お返事は即答頂けますが、
違いが微妙になってくると、お返事の歯切れが悪くなってきます。
そうすると、お客様の表情に、不安や、ちゃんと答えられない焦りや罪悪感みたいなものが現れることがあります。
はい、それで良いのです。
この検査では、「判断が付かないところ」を探しているので、
お返事が滞るというのは、正しい反応で、その場所を探していたのです。
例えば、レッドグリーンテストですが、
視力表から届いた光線が、角膜や水晶体で屈折し、その焦点もしくは最小錯乱円が
網膜の前後どちらかにあるのか調べています。
赤が強ければ網膜の前方、緑が強ければ網膜の後方、同じならば網膜上ということです。
ただし調節が介入している場合があるので、「緑が強い」状態以外は完全には信用してはいけません。
「トワール」の場合は、反転させることで、プラスとマイナスの度数を付加させますので、
マイナスが見え易ければ度数をマイナス側へ、プラスが見え易ければ度数をプラス側へ寄せる、という形です。
どちらも同じだとすれば、現在の度数が正しいということになります。
「クロスシリンダー」も同じことです。
最小錯乱円を網膜上に置いて、反転前後で見え方を比較します。
反転前後で最小錯乱円の大きさが変わることで明瞭度が変わるのですが、
変化が無い時はその乱視角、乱視度数が正しい、と判断できるわけです。
私たちは、お客様の返答だけではなく、表情の変化も観察しながら検査をしていきます。
無理に答えようとか、どちらかはっきりさせないといけないのか、などと考え込まないで、
感じたままをお答えいただければ結構です。
金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)
テーマ:☆北陸(富山・石川・福井)の情報☆ - ジャンル:地域情報