メガネフレームに使われる金属類は、
チタンであったり、ハイニッケル合金、サンプラチナ、サンコバルトであったりしますが、
一般的にサビに強いです。
加工性やコストの問題、あるいは部位によって適した金属を使い分けることもあるでしょうが、
異種の金属が接していれば「電蝕」が起こります。
メガネの場合はネジが腐食することが多いです。
本日、お客様のメガネから外したネジです。

この程度でしたら、たいしたことはないのですが、
もうちょっと腐食が進めば、フレームの中で折れ込みます。(>_<)
折れたネジは、「ネジ抜き」という方法で抜くことはできます。
しかし、フレーム本体に、大きなダメージと、リスクが伴いますので、できれば避けたい作業です。
これを防ぐには「夏のメガネのお手入れ」にて紹介いたしましたように、
こまめに水洗いしてください。
残念ながらネジが折れたとき、

この程度、ネジの先っぽがはみ出していてくれていたら、
フレーム本体にダメージなく、また失敗のリスクもほとんどなく抜けますのでラッキーですが、
見た目が悪いのでここまではみ出しているのは稀です。
大概はツライチで、こうなります。

この場合、抜く方法は何通りかあるのですが、
1)フレームの智という部分ごとヤスリで切り込んで、ドライバーの刃が当たる溝を作る
2)ネジ抜き器を使い、トコロテンを押し出すようにネジを押し出す。
3)細いドリルをネジに貫通させる
のが代表的です。
1と2の手法は、確実にフレームにダメージを与えます。
1)はフレームに細い溝が彫られてしまいます。

正面から見る分には傷は見えません。
2)はネジ穴が広がるので、タップで新たに太いネジ穴を切るか、
その余裕が無ければ、元の太さのネジのままナットで固定します。(かなり出っ張ります)
3)は完ぺきに実行できればノーダメージですが、
1.4mmのネジの中央に1.0mmのドリルを垂直に当て貫通させないといけないので、
難易度は高いです。

少しボヤけていますが、成功しました。
1.4mmのタップでさらえば、残ったネジの残骸は取れます。フレームにはダメージはありません。
これが高確率で出来るようになったのは近年のことです。
ドリルの性能と、私の経験値の向上です。
自店販売商品の場合、万が一の事態へのお客様の理解と、実行できる条件がそろえば3)でやることが多いです。
3)が無理なら1)を次善の策とすることになると思います。
他店購入品のお持ち込みの場合は、専門の修理工場に依頼することになります。
工場では、おそらく、もっとも簡単な2)の方法を取られるだろうと思います。
外注するのは、多少、時間も費用も掛かりますが、当店にはノーリスクだからです。
こういうリスキーな作業は、まずは購入店にご相談ください。
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