「内斜位のメガネを作って欲しい」
というかたが来店されました。
前回、眼の不調を感じて、遠隔地にある両眼視機能検査をしているというメガネ店まで行かれたようですが、
より近い当店をインターネットでご覧になられて来店されました。
前回のメガネ店より「特殊レンズ」と記された注意書きをお持ちでした。
それには、「5メートルに付き5cmのズレがある内斜位と上下斜位」と図解付きで書かれていました。
要するに1プリズムディオプトリーずつの内斜位と上下斜位があるということです。
プリズムが「特殊レンズ」なのか?というツッコミはまあ置いておいて、
「近視で内斜位」というのは、本当にそうなのかは、少し疑ってかかるべきです。
案の定、オルタネイトカバーテストをしましたら、内斜位では無く外斜位でした。
単眼遮蔽屈折検査、両眼視機能検査を経て、両眼開放屈折検査にて、
R=Sph-6.00D Cyl-0.50D Ax175
L=Sph-6.25D Cyl-0.25D Ax175
1.5△B.in
左 0.75△B.up
と5m視標での完全矯正値を得ました。
偏光視標を使いましたので、一部融像除去眼位となります。
本来、外斜位なのに、眼位検査で逆に内斜位と判断されることはあります。
1メートルほど前に置いた黒っぽい箱型の視力表、近接BOX型を使ったり、
フォロプターという上から吊るす形の検眼機を使ったりした場合。
過矯正の屈折状態で眼位検査をして、調節性の輻輳が介入した場合。
あるいは、被検者(検査を受けるかた)が緊張していたり、
輻輳力が強かったりした場合。
他にもありますが、レアなケースですので割愛します。
繰り返しますが、
近視で内斜位というのは、まず疑って掛かるべきです。
(絶対に無いわけでは無いです)
余計な調節や輻輳(寄り目)を除去して慎重に調べないといけないのですが、
時々、こういう間違ったケースは見掛けます。
特に近接BOX型の省スペース検眼機では、起こりやすいので要注意です。
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