
私が深視力用メガネに取り組み始めて以来、もう20年になります。
HPを開設した当時からコンテンツとして存在し、これまで100人超の相談を受けてきました。
データすら残す必要のなかったかたも含めるともっと多いはずです。
経験は豊富な部類だと自負しております。(^-^)

これまで相談を受けた方のうち、(私の記憶の範囲では)5名は断念しました。(6名かもしれません)
一人は「黄班裂孔」という病気で、片目の中心視力がほとんどないかた、
他の四名(五名?)のかたは、恒常性の斜視で、プリズムを使っても両眼視の可能性の無いかたです。
片目で深視力試験を突破するのは、単眼での独自の遠近感がよほど優れているか、
運が良かったのでしょう。
日本人の斜視の発生頻度は、複数の調査から2%と言われております。
たまたま5%くらいのかたが来られたのは、
両眼視に問題のあるかたの来店頻度が高いということで何ら不思議なことではないと思います。
それ以外のかたは、皆さまから合否の連絡をいただけるわけではないので
あくまでも、客観性の無い、自分の手ごたえとしてですが、
「だいたいは」ボーダーラインには持って行けてます。
「だいたい」と歯切れが悪いのは、深視力検査の特性ゆえです。
3本の桿が揃ったときに、なにか動いたり光ったり等という、
スロットマシンのような明確なイベントが起こるわけではありません。
人によって表現は違いますが、
「何となく」だけど
「線の太さ」「線の濃さ」「黒の密度」が
揃った「気が」する
という曖昧な感覚にしか過ぎません。
私自身、深視力検査は100回やっても5mmは狂うことのない精度で答えられますが、
確信を持って正答しているわけではありません。
自分の感覚を信じて適当にボタンを押せば、勝手に0~2mmの範囲に止まっている、という感じです。
この何とも曖昧な感覚を調べるのがこの試験なのです。
ときどき「合格できる確率は?」という質問を受けますが、
これにお答えするのは難しいです。
というのは、相談を受けたかたの集団全体でみれば、
おおよそ9割くらいの方はボーダーラインに持って行けてると思いますが、
個人で見た場合、そのかたが合格する確率は、ゼロか100%です。
安直に「9割くらいはイケますよ~」などと答えてしまって、
そのかたが5%の斜視の可能性もあるわけですから迂闊なことは言えないのが本音です。
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