「ビンテージのフレームの調整は出来ますか?」
と電話にて問い合わせがありました。
当店ではその手の商品は扱っていないので、他店購入品ということになります。
ビンテージのフレームというのは、
1970年代や80年代の欧米諸国で生産されたフレームを指すようですが、
現在のフレームとはデザインが違っていて、個性的なものがあったりして、
中には結構な値段で売られているものがあるようです。
しかし、工業製品としてメガネフレームを見ると、
すでに製造から20年以上が経過していますので、
プラスチック部分は可塑剤が抜けて硬化し、
金属のロー付けは酸化して接着強度は低下していると考えるのが普通です。
表面のメッキも劣化して、工具で挟むと傷ついたりメッキ剥げするかもしれません。
そう言ったことを簡単にお話しして、
「万が一壊れても、弁償とか一切できませんが、それでも良いですか?」
という感じにお答えしたら
「そうですか」
と言って切られてしまいました。
「ビンテージ」という単語を非常に強調しておられましたので
傷付けたり壊れたりされるのがお嫌だったのかと思われますが、
デザイン的・骨董的な価値は置いておいて、
冷静な目で見ると、経年劣化した古いフレームでしかないということです。
以前も書きましたが、
修理・調整の際、初動で破損することが良くあります。
金属枠の場合、工具で挟んで徐々に力を加えて曲げていきますが、
曲がる力が加わる前に、破断、ロー離れが起こることが多々あります。
プラスチック(主にセルやアセテートですが)フレームの場合、
加熱して柔らかくして、曲げようとした途端にひび割れたり折れたりすることがあります。
要するに「壊れない程度に」調整するのは実質不可能だという事です。
店頭なら具体例をお見せしてもう少し踏み込んだ説明も出来たのですが
電話口でしたので、真意が伝わらなかったかもしれません。
「ケチな店やなー」
と思われたかもしれませんが、
そう言った事情がありますのでご容赦ください。
金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)
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