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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

パイロットの視力検査

これまで、
航空大学校に入学するかた、
航空自衛隊でパイロットを志すかた、
現役のパイロットのかたのメガネを調製しましたが、
航空機の免許には、細かい規定があります。

航空身体検査マニュアル


特徴的なのが、各眼の屈折度数が(±)8ディオプトリーを超えないこと、
という部分です。
以前は、1種、2種ともにもっと厳しかったはずで、それぞれ4と6ディオプトリーだったと思います。
(うる覚えですので間違っていたらすいません)

どういう根拠があるのかはわかりませんが、
8ディオプトリー以下の近視なら、裸眼でも計器飛行が出来る、ということかと思ったのですが
逆に8ディオプトリーの遠視だったらそれは無理なので、また違う理由があるのでしょう。


強度近視で、8ディオプトリーでは規定の視力が出せない場合ですが、

2-2 オルソケラトロジーによる矯正
2-3 屈折矯正手術の既往歴のあるもの

は不適合とされています。
一応、屈折矯正手術の既往歴がある場合でも適合とされる方法はあるのですが、
(1)視力の日内変動(同日3回以上の測定結果)
(2)コントラスト感度
(3)グレアテスト
(4)角膜形状解析
検査方法のレベルがわからないので何とも言えませんが、
レーシック系の手術では、コントラストの低下、グレアの発生は程度の差こそあれ起こりますし、
角膜形状解析をすれば、「正常では無い」ことは明らかです。

眼内レンズ(前房レンズ)で矯正する手術も、広義では「屈折矯正手術」に含まれるかと思います。

屈折矯正手術に関しては、適合かどうかは、医師の判断に委ねられるということです。



場合によっては、白内障による近視化が起こり、8ディオプトリーを超えることもあると思います。
この場合は、手術後3カ月以上の観察期間を経て視機能が良好な場合は
検査結果等を付して申請すれば、適合となる可能性が高いです。


糖尿病性網膜症などの網脈絡膜疾患や、緑内障についての基準や、
目以外にも、全身の健康状態に細かな規定があるようなので、
パイロットのかたの健康管理は大変そうですね。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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斜視の相談

自分の無力さを感じて虚しくなる話なのですが・・・・・



外斜視について、続けて2件の相談を受けました。
一件はメールで、一件はご来店での対応でしたが、
いずれも「光学的な矯正」ということよりも「美容的な相談」でした。
つまり、
「レンズになにかしらの細工をして、視線を正面に持ってくることはできないか?」
というご要望です。
結論としては、「申し訳ございません。」ということになるのですが、
残念ながら、メガネで何かを出来るものではないです。


斜視というのは、左右の視線にズレがあるもののうち、両眼視機能が不良なものです。
ズレがあっても両眼視機能を保っているものは斜位と呼びます。
間歇性斜視という両者の中間のような状態もありますが、両眼視機能はあるので斜位に近いです。

斜位(間歇性斜視も含む)はプリズムで矯正が可能な場合もあります。
度数によってはプリズムレンズでは対応できないので、フレネル膜を使う必要も出てきます。

斜視については、「調節性内斜視」は屈折矯正で対応できますが、
両眼視機能が不良な外斜視については、残念ながらメガネで対応できることはありません。
「眼球を内転せしめる」方向のプリズムを入れても、両眼視できない以上、効果がありません。

尚、「外斜位」のプリズム矯正についても、
その矯正効果は、「眼球を内転せしめる」方向ではなく、
視線が外にズレた安静位のほうを向かせるものとなります。


斜視・斜位の手術の適応があるかどうかは、両眼視機能の状態によります。
→ こちら
をご参考ください。


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生涯学習の回答が返ってきました

日本眼球技術者協会の認定眼鏡士の更新に必要な生涯学習の事を書きました。
https://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-1263.html
https://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-1264.html

実力問題の答案が返ってきました。
個人的には8科目すべてで満点を確信していたのですが、
1問だけ間違っているとされてしまいました。

190307_1.jpg

その問題は以下です。

以下の文章の内容が正しければ○を、誤っていれば×を解答用紙に記入しなさい。

4.調節に負担をあまりかけない屈折異常では、一般的に視機能問題があまり生じない。



一見、いかにも○を誘導するような設問の仕方ですが、
やはり答えはだそうです。 (゚Д゚)ハァ?

いえいえ、調節に負担を「あまり」掛けない近視系の屈折異常では、
外斜位による視機能の異常は多いでしょうよ。
輻輳不全も起こりやすいし、
近見時に調節性輻輳の喚起が起きないので、融像性輻輳をしないといけなくなり、
輻輳性眼精疲労などの問題もでるでしょうよ。

これ、○は絶対あり得ないと思うんですが?


それに問題の中の「あまり」って何ですか?
そんな曖昧な副詞付けられると、程度や頻度の判断に困りますがな。

この仕事をやって、もう35年になりますが、
私にとっては「あまり生じない」という感覚では絶対にないです。
むしろ、「結構あります」という感じですけどね。


どちらが正しくとも、私の更新には影響ないので
あえて抗議まではしませんが、
これ絶対に設問の方法が間違っていると思います。


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老眼への誤解

実は今日もあったばかりなのですが、

「老眼を掛けると老眼が進むのは本当か?」
という質問を受けることが良くあります。
あるいは、
「老眼が進むから老眼鏡は嫌だ」
という声も聞くことがあります。


それは全くの誤解です。

老眼鏡を掛けるから老眼が進むのではなく、
老眼は加齢とともに進行し、
そこに老眼鏡の使用・不使用は関与しません。

老眼は、ピント合わせの能力(調節力)の低下によって起こります。
調節力の低下は、水晶体の硬化によって起こります。
水晶体は、水晶体嚢という袋の中に細胞があり、その袋から出ることはありません。
細胞分裂して古くなった細胞が、袋の端っこに追いやられて行って次第に硬化していきます。
この加齢によって起こる過程に、老眼鏡は無関係です。
つまり、老眼は、老眼鏡を掛けても進行するし、掛けなくても同じように進行するという事です。


よしんば、100歩譲って、もし老眼鏡の使用により、老眼の進行が多少早まったと仮定しても、
それはたいしたことではありません。
調節力は、いつかは無くなります。
個人差は多少ありますが、だいたい60歳前後で実用上ほぼゼロになります。
つまり、調節力が無くなるのがゴールだとしたら、
老眼鏡を掛けようと掛けまいとゴールは同じになります。
老眼鏡を掛けずに目の疲れを我慢してゴールに辿り着くのと、
老眼鏡を上手に使って楽にゴールに辿り着くのと、
どちらが得だと思いますか?
私だったら、眼精疲労などに悩まされず、楽にゴールに辿り付きたいです。


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調節と輻輳の関係

目が疲れやすいということで、かなりの低矯正の近視用メガネを掛けているかたで、
それでも疲れやすさを訴える場合があります。(眼位は正常)

近視のかたが、低矯正のメガネを掛けるという事は、
眼前の有限距離にピントが合うということになります。
例えば、完全矯正値(過不足ない度数)から
0.50D雲霧(弱く)すると2m、
1.00Dの雲霧で1m
1.50Dの雲霧で0.6666666666・・・・・m
2.00Dの雲霧で0.5m
2.50Dの雲霧で0.4m
という風に、雲霧量を増やすと、遠点(焦点の合う最も遠い距離)が近くなってきます。


50cmの距離で近業をするので、単純に2.00D雲霧すると、
調節力(ピントを合わせる力)はゼロで済みます。
調節をしないで済むので、調節性眼精疲労は起きないはずです。
でも、なんか疲れる・・・・
という場合はあります。

私たちの眼は、通常、近方視するときには、
調節(ピント合わせ)、輻輳(寄り目)、縮瞳(瞳が小さくなる)という近見反応が連動して起きます。
調節すると、調節性輻輳が喚起されて、左右の視線が対象に向きます。
ところが、調節をしないで済むと、調節性輻輳が喚起されないので、
近方の目標物を見ようとすると、融像性輻輳をより多く使う事になります。
このため、調節と輻輳の不均衡から生じる輻輳性眼精疲労が起こる、
というメカニズムではないかと思います。

余談ですが、調節量に対し、調節することによって起こる調節性輻輳の量を
プリズムディオプトリーで表した値を「AC/A比」と言います。
日本語では「調節性輻輳/調節比」と言えば良いでしょうか。
ちなみに、正視で、両眼単一視を持つ(両眼視機能が正常)かたのAC/A比は、
少し幅がありますが、2~6△/Dとされています。


つまり、疲れるからと、単純に弱くするだけでは解決しない場合もあるということです。
また、眼前に焦点を合わせると、当然のことながら遠方はボヤけてしまいます。
知らず知らずのうちに、眉間にしわを寄せて、目を細めて見ようとすることもあろうかと思います。
こういった行為も疲れの原因に繋がります。

斜位による輻輳性眼精疲労はもちろんですが、
眼精疲労の大きな原因の一つにドライアイも挙げられます。
一つの原因だけではなく複数の原因が重なっている場合もありますので、
簡単に問題を解決するのは難しいことも多いです。

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