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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

レンズメーカーからの電話

先ほど、名前を記憶の片隅から消したはずの某レンズメーカーの営業マンから電話がありました。
早口で会社名は聞き洩らしたのですが、
金沢に営業で回っているから当店に寄りたいとの趣旨でした。
名前を聞き返すと・・・
ふぅ・・・
私と知らずに電話を掛けてきたんでしょうなぁ・・・
(私と知っていれば掛けてくるはずがない)



20世紀の終わりごろになりますでしょうか、
1.60の高屈折プラスチックレンズが、アッベ数36から同42の素材に切り替わり始めた時期のことです。
取引先の問屋が、
「○○から新しいレンズが出たからモニターとして使ってみて欲しい」と
私の度数のレンズを提供してくれました。
当時は、
Sph-2.00 Cyl-1.00
くらいの度数だったと記憶しておりますが、 提供されたのは屈折率1.60の単焦点非球面レンズでした。

早速、手持ちのツーポイントフレームのレンズをこのレンズに交換したところ、
何となく違和感を感じ、しばらくすると左眼が重いというか痛いというか、不快感を感じるようになり、
何か加工ミスでもしたのか?と点検しましたが問題は見当たりません。
別のフレームだったらどうなんだろうと思い、もう一組、自費で取り寄せてみました。

レンズを袋から出し、加工台の上に置くと、おかしなことにレンズの後面がペタッとくっつきました。
乱視のつけ方で前面トーリックと内面トーリックの2種類がありますが、
当時はすでに内面トーリックの時代で、内面トーリックのレンズを台上に置くと、
後面はマイナス乱視の軸方向が浮き上がるはずです。
前面トーリックかと思いメーカーに確認すると、前面非球面・内面トーリックだと言うのですが、
カーブ計で計測すれば、明らかに乱視は前面に付いてます。
状況を説明すると、翌日だったか、翌々日だったか、営業担当部長と工場の責任者と称する人物が、
片道2時間掛けてはるばる奥能登まで訪ねて来て、原因を私に説明しました。

「アニールの際、レンズ基材の耐熱性が高いことが災いして、 軟化した基材が重力によって垂れてくる」
というものでした。
(レンズを成型した後、均質にするために再加熱することをアニールといいます)

ところが、 その工場の責任者と称する人物は、
「自然に、規則的に垂れているから実用上は問題ない」
という趣旨のことを私に言いました。

はぁ???

非球面レンズというのは、収差の軽減のために高度な計算を行って決定した曲率が命なのですから、
その曲率が設計と違うものになっている以上、問題ないはずがない!

まあ、反論の余地はありませんわな。
何も言い返せずに、とぼとぼと引き上げていきました。

後日、
「アニールは前面のモールドに載せたままで、下に向けて行うようにしたので、
もうあのようなことは起こらない」

と連絡がありましたが、時すでに遅し、
レンズメーカーとして、絶対に言ってはならないことを、
しかもテクニカルな部門の責任者が口にした会社など、相手にする価値もありません。
以降は一切の取引を止めました。
止めても困ることは何一つないので。


当時とは、体制も、中の人も変わってきているでしょうが、
御社とは未来永劫、取引するつもりはございませんので悪しからず。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)


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見本染色

プラスチックレンズは「染色」という方法でレンズに色を付けることが出来ます。

以前は、各レンズメーカーが独自に色を設定していて、
メーカーごとに染色サンプルを用意する必要がありました。

それが無駄ということになり、レンズメーカーが合同で「オプチカルカラー協会」というものを作り、
全メーカーで共通のカラーサンプルが出来上がりました。
現在は「アリアーテ・トレス」という名称で、トレスという名の通り3代目になります。

で、初代から2代目、3代目となるうちに、カラーバーリエーションが減ってきました。
カラーサンプルの濃度も簡略化されて、サンプルの枚数も減ってきています。


とあるお客様から、青と緑の中間くらいの色が欲しいとご要望がありましたが、
アリアーテのカラーでは、ブリーズブルーという名のどう見ても水色、
ブリーズグリーンという名のどう見ても薄い緑しか存在しません。

220501_3.jpg

そこで、ブリーズブルーのサンプルの上にブリーズグリーンのレンズを重ねると
ご要望に近い色が得られました。(逆に重ねるとやや青が強くなる)

比較的、見本染色に柔軟に対応してくれるメーカーに連絡すると、
「クレーム非対応で良ければ可能な限り近付ける」
という返事をいただきまして、2枚のレンズをセロテープで固定して送りました。

220501_1.jpg

で仕上がって来たレンズがこちら。

220501_2.jpg

なかなか良い色に上がっています。

染色は、この時代になっても未だに人力です。
染色液の濃度や温度など、ちょっとした違いで色に変化が出るために、
作業員のかたが手作業で、染色液に漬けては洗浄して目視を繰り返して、色調や濃度を調整していきます。

オプチカルカラー協会のお仕着せのカラーに満足いただけない場合
サンプルさえ用意できれば、結構柔軟に対応可能です。


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ブルーライトのネット記事

何かと世間を騒がせているブルーライトですが、
こういう対照的なネット記事が立て続けに出ました。


「近視」を放置する危険性…“光”がもたらす恐ろしい害悪とは?


日々2~3時間屋外活動する子供たちは近視になりにくいという科学的なエビデンスがある

これはシンガポールや台湾で行われた臨床試験で証明されていることで、
それはいいのですが、

一方で、ブルーライト(以下、BL)には十分な注意が必要です。

と、液晶画面やスマートフォンから発せられるわずかばかりのブルーライトの害悪をずらずらと書き並べた挙句、

コロナ禍こそ太陽光の照射を

LED機器から放出されるブルーライトよりも、太陽光に含まれるそれは100倍程度も大きなエネルギーを持っています
ブルーライトが眼に悪いなら、太陽光に含まれるブルーライトこそ防がないといけないはずです。
太陽は良くてLEDはダメだなんて、全くもっておかしな話なのは、過去に何度も指摘しました。

ブルーライトが体内時計に関係していて睡眠の質がナントカカントカ・・・・
というのは、また別の次元の話であって、眼球(主に網膜)に対する害悪とは無関係です。




対してこちら

ブルーライトカット眼鏡の実効性に疑問の声 小児の使用にはリスクも


「実は、ブルーライトカットが疲れ目を軽減するという学説に、医学的なエビデンスは確立していないのです。
そもそも液晶画面から発せられるブルーライトは窓越しの太陽光よりずっと少なく、網膜に障害を起こすことのないレベル。
それどころか小児の場合、ブルーライトカット眼鏡の装用はブルーライトにさらされること自体よりも有害である可能性が否定できません」


まあ、正論ですね。

「ブルーライトカット眼鏡を使うと目が疲れないというのは、民間療法レベルの根拠に乏しい話です。
今後、デジタル端末のさらなる普及が予想されますが、
『ブルーライトカット眼鏡をかけているから』と長時間使い続けるのは目にとって大きな負担となります」

ほんと、これに尽きると思います。


LED機器から出てくるわずかばかりのブルーライトの、十数パーセントとか二十数パーセントをカットするよりも、
使う時間を少なくする方が、調節・輻輳機能の負担の軽減になると思いますので
よほど目の健康に良いと思います。


尚、American Academy of Ophthalmologyより、
ブルーライトカット眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できないという声明も出ております。

Should You Be Worried About Blue Light?


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通常のご使用に於いて

今年7月に販売したメガネですが、
工具が当たってレンズに傷が付いてしまった、とお持ち込みがありました。

211009_1.jpg
(黄色の矢印の先と、黄色の円の中)

このレンズは、たまたまKODAKブランドのものを使っておりましたので
1年間のキズ保証が付いており、無償交換が出来ます

211009_2.jpg

ただ、この手の保証書には、必ずと言っていいほど
通常のご使用に於いて」という文言が付いてきます。

で、どこまでが通常で、どこからが通常じゃないんや!?

という風に、基準が曖昧な場合こういう疑問が起こるわけです。

工具が当たるなんて通常の使用ではなく過失だ
とする意見もあるでしょうし
工具は仕事で日常的に使用するものだから通常だ
とする意見も成り立つわけです。


基本的には、メーカーと私との信頼関係の上で私が判断すべきと考えるのですが、
さらに、私とお客様との間の関係性も絡んできますので、
ここは利益が相反する事態になってしまいます。


私はお客様の味方なので、お客様側寄りの判断はしますが、
それが元で、お前のところは信用できんから取引停止するわ、とメーカーから言われてしまうリスクもあるわけです。
幸い、このメーカーのレンズは、キズが付く頻度が少ないので、
今のところメーカーから訝しく思われていることはないはずです。




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電器店にて

加工台(作業台)に付いている電気スタンドの蛍光管が切れたので、
昨日の仕事帰りに電器店に行きました。

全国に展開している大手チェーン店で、広いフロアに家電製品以外にも色々と置いてあります。
滅多に来ないので、他に何か買うものは無いかとウロウロしておりましたら・・・

パソコン用品コーナーに、お決まりのブルーライトカットメガネは当然として、

・ブルーライトをカットするというパソコンやテレビ画面に取り付けるフィルター
・ブルーライトをカットするというソフトウエア(アプリ)

などがズラリと並んでいました。
ブルーライト悪玉説は、メガネ業界のみならずこちらの業界にも入り込んでしまっていたのですね。

ディスプレイの設定や、Windowsなら「色の管理」にある「ディスプレイの調整ツール」を使って
例えば、色温度を5000Kや4500Kあたりに下げれば、同じ効果は得られるんですけどね。



過去に何度も書いている通り、私はブルーライト悪玉説には懐疑的です。
ただし、インチキ・詐欺呼ばわりしている訳ではありませんし、全面的に否定しているわけでもありません。

パソコンが普及したころ、デスクトップパソコンとブラウン管の組み合わせで使用されることが多くありました。
当時、液晶モニターは、暗いし画面は小さく解像度も悪かったと記憶しています。

ブラウン管、特にトリニトロン管やダイヤモンドトロン管などの輝度の高い画面を見るとき、
メガネレンズにアンバーやカーキといった茶系・緑系のカラーを付けると目が楽になる、
ということを、自分でも、お客様の感想からも経験しているので、
明るいものを見るときに、目に入ってくる光線の量を減らすことに意味はあると考えています。
特に茶系・緑系のカラーは、短い波長の光を多めにカットします。
ブルーライトカットメガネは、コーティングで短い波長の光を反射させ、同じようなことをやっているわけです。


短い波長の光をカットすること自体は、
眩しさを和らげたり、コントラストを上げるなどの視覚的効果があることは知られています。

半面、暗いところでは視界が暗くなるし、物の色調が変わって見えてしまいます。
コーティングで短い波長をカットする場合は、
レンズの反射、特に裏面反射(りめんはんしゃ)の問題があります。
メガネと頭部の隙間から入ってきた光がレンズ面で反射してチラチラ見えてしまう事や、
近視で、且つ、気になるかたの場合、自分の目がレンズに映っているのが見えます。
私の場合はとくに裏面反射に神経質なので、自分の目の周りの毛穴まで見えてしまってうっとおしいです。



ブルーライトをカットするというコーティングが発売された時、
自分の眼で確かめないと気が済まない性分の私は、すぐさま中近累進レンズで試してみました。
第一印象は、「裏面反射気持ち悪ぃ~!」でした。
当時は、古い液晶モニターを使っていましたので、むしろ画面が暗く感じて白い部分が黄ばんで見えるので、
場合によってはメガネを外して画面に近づいて裸眼で見直したりもしました。

そして、使ったり使わなかったりして半年ほど経過した頃、
コーティングにクラックが入っていることに気付きました。
クラックというのは、主に熱によるコーティングの小さなひび割れです。
仕事場に置いているだけのメガネでしたので、熱を受けるはずもありません。
もしかしたらコーティングの乗りが悪いのではないか?
と感じましたので、それ以降は自分でも使っていないし、お客様にも薦めていません。


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