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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

難接着性樹脂を接着する接着剤

フィットネスクラブのお友達から相談を受けた案件です。

TR90というナイロン系のプラスチックフレームの横幅が拡がってしまったというものです。
この素材、アセテートやセルロイドと違って加熱しての型直しが出来ません。
すなわち、普通に修理が出来ないシロモノというわけです。

本来ならば、お引き受けいたしかねる案件なのですが、
以前に、モアイ君というガラスのメガネスタンドを頂戴したまま

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コチラ→ モアイ君

ろくにお礼もしていなかったということ、
難接着性樹脂でも接着が出来るという接着剤も試してみたかったので
ダメ元ということでやってみました。

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もちろん、ぶっつけ本番と言う訳では無く、お客様から処分を頼まれた壊れたフレームで予行しています。
(当店にはTR90素材のフレームがないため)

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そして、このやり方は、アセテートやセルフレームの場合に、
アセトンと酢酸アミールの混合液でアセチシートを融着して貼り付ける
という既知の方法をアレンジしただけのものです。

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何種類か、厚みの違うポリエチレンテレフタレート、いわゆるPETですね、のシートを集め
その中から適当な厚みのものを選んで貼り付けてみました。
30分ほど放置したら、ちゃんとくっ付きましたので、おそらく当面は大丈夫だと思います。

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あとははみ出した部分をヤスリで削り落すだけです。


この修理、ものすごくリスクが高いので、絶対に自分でやらないほうが良いです。

なら、書くなって?(笑

まず、レンズを外さないといけないことが最初のリスク。
TR90は、加工段階でかなり大きめに削って嵌め込む必要がありますので、外す時にもけっこうな強度が掛かります。
その引っ張り強度に耐えられずに破断ということも。

レンズを付けたままやろうとすると、はみ出た接着剤が、いつの間にかレンズに付着してしまうリスク。
指紋の模様の付いた接着剤がレンズに付着している姿はよく見ます。

そして再びレンズを嵌めるときに、破断や、表面のカラーシートを剥がしてしまうリスク。

良い子はマネしないでください。


尚、この接着剤の強度ですが、
この手の、貼り付けた後に力の掛からない個所の修理には使えますが、
例えば、リム切れや、テンプルが折れた、などの、
使用時に負荷の掛かる個所の修理が可能なほどの強度はありません。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)


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他店購入のメガネが折れた

当店で作ったメガネでは無いのですが・・・

当店で新たにメガネをお作り頂いた新規のお客様の所有のメガネが、
何やら傾いているようなので調整を試みたところ、
曲がっていた個所を戻そうとして力を加え始めた瞬間に折れました。 (>_<)
全くの初動で、さほど力も入っていない段階でしたが、
あっさりとポキッと逝きました。

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フレームは5年以上は確実に経っているとのことですが、
最近レンズを入れ換えたということで、どうせならもう少し使っていただけたら良いと思ったのですが、
結果は裏目に出ました。

まだ健在で、当店も取引のある国内メーカーなので連絡は付きますので、
明日、問い合わせて、補修部品の入手が可能か確認しますが、
なにぶん、数年という時間が経過しているので手に入りますかどうか。


他店購入のメガネに対して手を加える場合、この手のリスクが付きまといます。

「曲がったところを直す」というのは、決して元通りに直すことでは無く、
「曲がったところを元の形に曲げ戻す」ことですので、
さらに一度、不可逆的なダメージを与えるということです。

針金などを何度もクネクネ折り曲げるといずれ破断します。
昔、超能力でスプーンを曲げるとか、折る、というのが流行しましたが
単に物理的な力を加えて曲げ、そのまま続けて折るだけのことに過ぎません。


やっぱり余計なことはするもんじゃないなぁ、と反省する訳ですが
でも、曲がったところを見て見ぬ振りをするのもどうかと思うのです。


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Shilhouette TITAN MINIMAL ART

Shilhouette社のTITAN MINIMAL ARTというフレームです。
ガタツキの少ないフチ無しメガネということで、当店の主力商品の一つであります。

丈夫な部類に入るフレームですが、「絶対に壊れないフレーム」とまでは言いません。
このように、たまに折れては来ます。

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しかし、壊れる頻度というのはかなり少なく、
当ブログに数回登場しております、私が所有する2本のShilhouetteフレームは
共に10年を超えて使用しておりますし、
お客様の中にも、レンズを換えながら10年近く使用されている方もおられます。

折れたとしても、折れた個所だけ交換できますので経済的ですし、
その部品供給というアフターサービスには定評のあるメーカーです。


踏んだりぶつけたりという突発的な事故以外では、
壊れてくるのは特定の使い方をされている場合が多いです。
右手で外すかたは左テンプル、左手で外すかたは右テンプルが多いです。

片手で外すとその度に反対側のテンプルに負荷が掛かります。
その疲労が溜まって、ある時、ふいに折れるという訳です。
両手で丁寧に外すのが基本ですが、どうしても片手がふさがっているときは、
ブリッジ(真中の金属部)を持って、まっすぐに引き抜くようにしていただくと負担が少ないです。


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鼻パッドの修理について

「何て名前かわからんけど
鼻に当たるクッションみたいものが取れたけど直るのか?」


と電話がありました。
どうやら近所にお勤めの方で、当店で販売したメガネでは無いようです。


「鼻パッド」が取れるというのは、メガネの修理ではもっとも多い事例かもしれません。
ただ、鼻パッドが取れるという表現だけでは、正確にお返事はできないです。
「出来ますよ。」と安請け合いしてみたところ、
実際は簡単な話では無かったり、ということも起こります。

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ネジなどが緩んで鼻パッドのみが取れる

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鼻パッドの足(クリングス/クリングスアームなどと呼びます)が取れる

鼻パッドのみが取れた場合は多くの場合は汎用部品で修理が可能ですが
クリングス折れの場合は、ロー付け修理が必要になります。
ロー付け修理は、店頭で出来ないことはないですが、
ロー付け個所周辺が焼けるので、かなり目立つ跡が出来ます。
修理工場に出すと数日とそれなりの費用は掛かります。

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鼻パッドの固定方法もいくつかありまして、
これ以外にも「ビルトイン」と呼ばれるものや、テグスやピンで固定する方歩もあります。

これらは部品メーカーから市販されている汎用部品ですので
手元に在庫さえあれば、修理は可能となります。


難しいのは、専門部品を使っている場合です。

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これはシルエットの鼻パッドですが、全くのオリジナルで、
この部品を在庫していなければ、汎用品では対応できません。
いや、無理やりなら出来ないことも無いのですが、後でオリジナルに戻すのが難しくなります。

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フランスのMINIMAです。
これは上記の巻丸と全く同じ形状ではありますが、市販品では固定用の穴に通りません。
穴に通すための特別な仕様になっております。
当然、MINIMAと取引が無いと入手は不可能です。

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同じくMINIMAの別モデルですが、
オリジナルの部品ですが、市販のビルトインが何とか使えます。


ということで、冒頭のご質問に関しては
「見て見ないと何とも言えません」というお決まりの答えになってしまうのですが、
まあ、割と直せる確率は高いです。
少なくとも、自店で販売したものならば、部品は在庫していて当たり前なので
販売店に持ち込む方がより確実ですけれど。



昔は、ほとんど汎用部品だけで修理できたような気がしますが、
最近は、専用部品を必要とするものが増えている感じがします。
何らかのポリシーを持って、他社との差別化を目指しているのだろうと思いますが
中には、汎用部品のほうがマシ、と思える専用鼻パッドも良く見ます。


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他店購入品のフィッティング調整

以前にも同じような内容のことは書いたと思うのですが。


今朝、「ホームページを見て電話している」というかたから、
「最近、他店にて購入されたメガネの掛かり具合が悪いので見て欲しい」旨の連絡がありました。


作ったばかりで転勤などで引っ越して、購入した店舗に行けない、という場合はともかくとして、
個人的には、何度でも、納得がいくまで、購入した店に相談すべき事案だと思います。
メガネを販売した者、あるいは店が責任を持ってフィッティングするのが当然ですし、
フィッティングがお粗末でお客さんに迷惑を掛けているという自覚を持たせ、
練習して技術を習熟させることにもなります。
下手だという自覚が無いから、練習しないし、いつまでも下手なままなんだと思うんですよね。

尚、誤解があると困るのですが、私自身は、自分のフィッティングは上手だとか自惚れているつもりはありません。
この仕事は35年以上やっていますが、今でも試行錯誤しながら、勉強の毎日です。



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フィッティングや修理には、ヤットコとかプライヤーと呼ばれるこんな道具を使います。
良く使うのは、このうち15本くらいですが、適材適所に使い分けます。

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そして、フレームヒーター、温熱器です。
ドイツ製の古い機種ですが、火力が強くて手放せません。


ヤットコで掴んで曲げる、ヒーターで加熱して柔らかくして曲げるなど、
フィッティングには、フレームに対して不可逆的侵襲を加えることがあります。
ヤットコの掴み傷が付いたり、加熱でプラスチックにシワが寄ったり、ということも無いとは言えません。
古いフレームだったり、海外製の質の悪いフレームだと、ロー離れが起きたりもします。
そもそも、加熱調整できない樹脂フレームというものも多く存在しますし、
迂闊にヒーターで暖めると、トップコート(着色のためのフィルム)が剥がれるなんてこともあります。

万が一、他店購入品に対して意図しないミスが起きて破損した場合、
弁償しろと言われても困るので、やはり、購入店にお持ち込みいただく方が、
お互いが嫌な思いをすることがないので都合が良いです。



などと、このブログ記事を書いている間に、
福井県で作ったメガネの調整をして欲しい、とお持ち込みがありました。
福井まで行くのがしんどい、そうです。
それならなんでわざわざ福井まで作りに行ったのか不思議ですが、それは置いておいて、
フィッティングの状態を見ると「モダンが直角」という良く見掛けるパターンでした。
こんな感じ。

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屈曲点の位置が悪い(先の方にある)ために、無理やり曲げて耳介の後ろに食いこむように当てている状態です。
本来は、一旦、テンプルをまっすぐにして、屈曲点の位置を変えないといけないのに、
手抜きをした結果、そうなったのだと想像します。
見たところ、お高そうなフレームにお高そうな遠近両用レンズが入っているようですが、
これではそれも台無しです。


これはフィッティング済みのテンプルです。

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耳介の真上に屈曲点を作って、後頭部を抱きかかえる様に包み込むのが正しいフィッティングだと私は思っています。
ただ、耳介の後ろにピッタリと沿わせていく、というやりかたが流儀の方もいるようですが。
どっちにしても、ズリ下がらない、痛くないフィッティングさえできれば正解な訳で
どちらが正しく、どちらが正しくない、ではないとは思います。


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