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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

屈折検査

昨日の記事の続きになりますが・・・

屈折検査の作法にも色々あるとは思いますが、
私のルーチンワークとしては、

片眼遮閉屈折検査で左右各眼のほぼ完全矯正値を把握した後、
カバーテスト、プッシュアップで両眼視機能の大まかなアタリを付け、
一部融像除去眼位視標を使い両眼視の評価をし、
必要ならばプリズム矯正をした上で、
両眼融像下でクロスシリンダーを行い(両眼開放屈折検査)、
調節を充分に寛解させてから(調節寛解テスト)、
左右眼の調節バランスを取って(調節バランステスト)、

最終的な完全矯正値を得るというのが手順になります。

フォロプター(レフラクターヘッド)は使わずに、試験枠でやります。
また視力表は5メートルのものを使います。

210609_1.jpg
試験枠・クロスシリンダー・偏光板

210609_2.jpg
テストレンズ・ペンライト・手持ち偏光など

210609_3.jpg
5メートル偏光視標付き視力表

文字に起こすと複雑なように見えますが、
すべては余計な調節の介入を防ぎ
精度の高い完全矯正値を得るためです。


それで得られた完全矯正値ですが、
遠視(遠視性乱視も含む)、混合乱視の場合は、そのまま装用度数にするのがベストです。
(装用感の問題で出来ない場合もあります)

近視(近視性乱視も含む)でもそうするのがベストだと思うのですが、
この国では近視のメガネは低矯正が良いという説が幅を利かせており、
それに慣れたかたの場合は、完全矯正値にすると「見えすぎて疲れる」などということになりますので、
その場合は装用者との相談で雲霧する(≒弱くする)ことになります。

で、昨日の記事の問題は、この装用者との相談に於いてコミュニケーション不足だったという訳です。

その前に、完全矯正値を取得することが出来ていなかった可能性もあります。
それと、その眼科は私も通院したことがありますが、その時は3m視力表でした。
クロスシリンダーはおろか、乱視検査の放射線も提示してくれませんでした。
乱視度数はオートレフ任せで、片眼遮閉で度数をすこしづつ上げて行って1.0だか1.2が見えた時点で他眼の検査となり、
眼位検査、調節寛解やらバランステストも無く、2分くらいで終わりました。

こんな検査で眼鏡処方箋出されたら迷惑だ、と思った記憶があります。

ただたくさん検査すれば良いものでもないですが、
必要最低限の検査は省いてはいけないと思うのですけれど。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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電話相談

こういう電話相談がありました。

某病院眼科で処方箋を書いて貰い、某量販店にそれを見せて新しいメガネを作った。
ところが、受け取ったメガネは、眼科で検査した時に比べて見えにくい。


趣旨はこんな感じです。
医療機関、量販店の名前もお聞きしています。
お話の節々で、量販店が間違って作ったのでないかと疑っているようなニュアンスは感じました。



出来上がったメガネ、処方度数、ご本人の屈折度数という情報が皆無なので憶測でしかありませんが、
処方箋を受け取ってメガネを調製したのならば、
違う度数で渡してしまった、という可能性は極めて低いと思います。
勝手に度数を変えて渡すなどということは考えにくいです。


当店では眼科の処方箋を持参された場合、念のためにチェックして、
もし、処方箋と違う度数のほうがお客さんの利益になると判断した場合(圧倒的に多い)、
その度数と、処方箋の度数を比較していただき、お客様に判断を委ねます。
そして、当店の提案した度数のほうが良いとの返答を頂いた場合(ほぼそうなります)、
処方箋は「見なかった」ことにして、お客様に取り下げていただいています。



話は元に戻って、
すなわち、処方箋に記入された数字が、装用者の希望に合わなかった、
あるいは、何かの意図があって、敢えてそうした度数になったのかもしれません。
前者の可能性が高いですが。


確か、その量販店では、合わなかったら一定期間の間、度数を変えるという保証サービスみたいなものをしていたはずなので、
もう一度、眼科に問い合わせて再処方を受けて度数を変えて貰ってみれば良いと思うのですが、
合わない度数を処方するようなレベルでは、再処方したところでうまくいくとは限らない、かもしれませんね。

ですので、当店は、小児の治療用眼鏡、あるいは、特定疾患の遮光眼鏡など、医師が発行する処方箋が必要な場合以外は、
眼科の処方箋は持ってきていただきたくない、というスタンスです。


視力検査と呼ばれたりしていますが、正確には屈折検査です。
オートレフなどでピッ、ピッと測定するのが他覚的屈折検査、
検者と被検者の対話形式でレンズを交換しながら進むのが自覚的屈折検査で、こちらが最終的な度数を決定します。
自覚的屈折検査は、検者と被検者のコミュニケーションが大事。
被検者の回答を元に、矯正度数を「追い込んで」いくものです。

処方度数が合わない、というのは、このコミュニケーションが合わずに、
「追い込み」未遂をしてしまったということになると考えます。



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ペンライト

輻輳力の確認のためのプッシュアップや
眼球運動の様子を見るときに、注視目標とするためにペンライトを使います。

210310_1.jpg

一般的な眼科用ペンライトは、マドックスやバゴリーニなどの検査に点光源として使えるように
先端から光が出るようになっていますが、
これではプッシュアップの注視目標とするには光量が強過ぎます。


そこで、先端の側方部が光るような構造のライトが便利なのですが
なかなか適したものがありません。

210310_2.jpg

20年ほど前に、ホームセンターで偶然見つけたNational製のペンライトが
最近調子が悪くなり、代替えのものを探していたのですが、
やっと見つけたのはメルカリで売られていた中古品でした。
しかし、程度のわからない中古品が10,000円超!
私が買ったときは、新品でも数千円だったと思うのですが。

同じものにこだわらずにAmazonの膨大な数のペンライトを見ていると
先端に半透明カバーの付いたものが370円ほどで、買い合わせ対象品としてありました。
2,000円以上購入すると注文できるシステムです。

210310_4.jpg

で、ドライヤーを一緒に購入して価格を合わせました。
検眼レンズのくもり止め対策に使います。
マスクをしていると検眼レンズも曇ってしまいます。
くもり止めの薬液やくもり止め効果のあるレンズ拭きを使ってはいますが
それでも寒い日などは曇ってしまうので、事前にドライヤーで温めて置けば曇りを減らせるかもしれません。

210310_3.jpg

で、このペンライトが届いたので早速電池を入れて使ってみましたが、
まあ使えないことも無いです。
LED光源なので、安いにもかかわらず光量が強いので、マジックペンで塗りつぶそうかと思います。



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お決まりのたらい回し

数年前から
「両眼で見ると、遠くのものが二重に見えることがある」
という自覚症状を覚えていた女性からの相談がありました。

カバー・アンカバーテスト、オルタネイト・カバーテストで、小さくはない程度の内斜位の所見が見られました。


ご自身で調べたところ、「プリズム眼鏡」を掛けると解消できる可能性があると気付き、
それまでメガネを作っていた某量販店に相談したところ、
「眼科の処方箋を持参すれば作れる」
との話を聞き、行きつけの眼科に相談したところ、
ビタミン剤のようなものを処方されるだけで、
プリズム矯正には全く触れず、眼鏡処方箋は書いて貰えませんでした。
よくある「たらい回し」というオチです。


それで、再び量販店に事情を説明すると、
「レンズの中心をズラして少し調整するけど、このメガネを眼科に見せたら怒られるから内緒に」
と光学中心をズラしたメガネを渡されたそうです。
(眼科の処方箋に基づいて調製したものではないはずなので関係ないと思うのですが)

お客様の瞳孔間距離と、装用のメガネの光学中心間距離は、それぞれ61mm、58mmでした。
度数は左右共にSph-3.50Dで、乱視はありません。

プレンティスの公式に依る近似値計算では、片眼当たり、0.525△の基底外方ということになります。
両眼なら1.05△のプリズム量です。

余談ですが、
プレンティスの公式は、将来実施されるであろう「眼鏡技能士」の認定試験でも出題の可能性は高いです。
P=Dh/10(ピーイコールじゅうぶんのディーエッチ)は頭に叩きこんでおきましょう。




上から目線と思われるようで恐縮ですが、決してそんなつもりはありません。
量販店の店員に光学中心をズラしてプリズムを得るという知識があるとはちょっと驚きましたが、
ご持参のレンズの袋を見ると、ありゃりゃ、ASという大きな文字が!
某大手メーカーが中国のレンズメーカーにOEM生産させている屈折率1.60の片面非球面レンズです。
非球面レンズで偏心によるプリズムは余り関心しません。
1.5mm程度なので、まあ悪影響は無いと思われますが。
でも、1.05△では焼け石に水という程度にしか効果はありません。


とりあえず、片眼遮閉して屈折検査をしますと、
左右共にSph-4.25Dの近視でした。乱視はゼロではないですが、0.25D未満の直乱視です。
ワース4灯検査では周辺融像は複視、
一部融像除去眼位は5.0△B.Outです。


これまで、近視で、ベースアウトプリズム、つまり内斜位に対するプリズム矯正をされたかたで、
本来は内斜位ではなく、検査時に輻輳(寄り目)が過剰に働いてしまっただけという例を見てきました。
輻輳の強いかたは、融像除去眼位検査でも一部融像除去眼位検査でも輻輳が働いてしまいますので要注意です。
特に1メートル程度の距離で検査できる省スペース視力表を使うとその傾向は増えます。


さて、
近視で内斜位の場合、まずは球面調整を行うのが原則ですが、変化は有りませんでした。
プリズム矯正した状態で、ワース4灯、バゴリーニSGテスト、立体視標も正常になりまして、
オルタネイト・カバーテストでも完全に中和しています。
眼球運動も、追随、跳躍ともに全然問題は無くスムーズに動きます。


内斜位と上下斜位は、
外斜位に比べて少ない量で眼精疲労や複視などの不定愁訴を自覚します。
プリズム矯正による矯正効果も高いです。

以前にも書いておりますが、
斜位の矯正やプリズムは、特別なものでも特殊なものでもありません。
程度にはよりますが、光学的に「普通に」矯正しうるものです。


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合成プリズム

県南部のほうから深視力用のメガネの相談に来られた方が、
現在使われているメガネのデータを印刷したものをご持参されました。

2年ほど前の日付で
R=Sph*** Cyl*** Ax** P3.0△45° PD=34.5mm
L=Sph*** Cyl*** Ax** P3.0△225° PD=34.5mm

あとはアイポイントの位置とかレンズの種類とかなど。


う~ん、通常のメガネ処方で、プリズムを合成して角度表示しているのは初めて見た気がします。
小児の斜視治療用のフレネル膜プリズムでは使うこともあるので、経験無いわけでは全く無いです。
フレネル膜を2枚張ることは出来ないので、合成せざるを得ないのです。

210222_1.jpg


中学校の数学で習う三平方の定理で計算することになりますが、
この場合、プリズムを水平と上下方向に分解すると
右レンズは2.12132△B.in 2.12132B△.Up
左レンズは2.12132△B.in 2.12132B△.down
となります。

このかたの眼位検査はどうやって行われたのだろう・・・
フォングレーフェ(プリズム分離)、ショーバー・テスト(赤緑分離)、偏光テスト(偏光分離)、マドックスなど
一般的な眼位検査では、水平の斜位と、上下の斜位は別々に測定します。(のはずです)
シノプトフォアなら合成で測れますが、普通は斜位の定量検査には使わない気がします。

別々に測って合成したのだろうとは思いますが、何か意味があるのかな????
と考えてみたら、なるほど!


メーカーによっては、プリズムレンズの製作には3△まで、とか5△まで、とか製作範囲に制限があります。
メーカーによっては、製作範囲をオーバーした注文でも受けてくれますが、
特注加算料金が上乗せされます。

例えば、製作範囲が5△までの場合、
右レンズに2.5△B.up 4.00△B.inというプリズムを入れたいとき、
合計は6.5△となり、製作範囲外になりますが、
合成プリズムだと212°方向に、4.71699△の製作範囲内の量で作れるわけです。
でも、0.25プリズムディオプトリーの単位でしか作れないので、
半端が出てくる違和感は否めません。


このプリズム合成ですが、過日ご紹介した眼鏡技能士試験には
最低でもこの程度の問題は用意しておいて欲しいです。
正解率はいかほどでしょうか?
眼鏡販売従事者の何割、いや、下手すると一桁パーセントかもしれません。(汗

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