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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

プリズム装用の質問

過日、メールにて、ちょっと意図が理解できないご質問を頂きました。

名前や、前書きなど一切ない、フリーメールからの匿名メールであり、
プライバシー云々は当てはまらないと思いますので、原文のまま引用します。

引用ここから--------------------

右眼眼前に基底外方にプリズムを装用させた場合右眼でできる像はどこにできるのですか?

--------------------引用ここまで

これがすべてです。


これに対して私が返信した答えは以下の通りです。


内斜位眼に対するベースアウトプリズム矯正なのか、それ以外の眼へのプリズム負荷なのか?
両眼視下なのか単眼視なのか?
輻輳・開散などの眼球運動は考慮するのか?
軸外からの入射光にも言及するのか?
など、諸条件によってお答えの仕方が変わります。
また、どの程度の光学知識をお持ちなのかで説明の仕方も変わります。

出来ましたら、お名前、所属(ex.眼鏡店勤務、医療従事者など)を明らかにした上で
ご質問いただけましたら幸いです。




これに対して、返信がありませんので、ここに私の考えを記しておきます。
(もしかしたら、私の返信の意味すら理解いただけていないのかもしれません)

尚、質問の内容は
右眼眼前に基底外方にプリズムを装用させた場合、網膜像はどこに結像するのか?
という意味に解釈します。


この手の問題を考える場合、軸外からの入射光に言及することは現実的ではなく、
眼前(主に無限遠)の点光源からの、眼の光軸に沿った光線のみについて言及します。


まず、眼前に基底外方のプリズムを装用するということは、
通常は、内斜位(内斜視の場合もあり)のプリズム矯正に使われます。
当然、この場合のプリズム矯正は、黄斑部中心窩に結像させるのが目的です。
さらに付け加えるなら、黄斑部中心窩で、左右眼の対応点に結像するのが理想です。



では、内斜位の矯正以外でに基底外方のプリズムを装用した場合。

プリズムを負荷された場合、光が基底方向に屈折しますので、黄斑部中心窩の耳側に結像しようとしますが、
実際の眼では、その光を黄斑部中心窩に結像させるべく、眼球運動が喚起されます。
基底外方は、眼球を内転せしめる力が働きます。
ですので、融像が可能な範囲では、眼は内転して、黄斑部中心窩で結像します。
融像不可能な量のプリズムを装用した場合は複雑です。
複視を起こしている場合は左右眼の対応点以外に結像しているわけですが、
この場合だと黄斑部中心窩の耳側になります。
複視を避けるために抑制を起こす場合もあるかもしれません。
その場合は眼は安静位に向かうかもしれません。

単眼視で眼球運動が出来るならば、眼は内転して、点光源は黄斑部中心窩に結像するでしょうが、
眼球運動が出来ないと仮定すれば、黄斑部中心窩の耳側に結像することになります。


他にもパターンはありますが、この時点で、閉店時刻になりました。
名乗りもせず、不躾なメールに対して、残業してまで返事を書くのもいかがなものかと思いますので
この辺りで切り上げます。


出来ましたら、こういったテクニカルな質問は、
お名前と、所属もしくはお立場(眼鏡店勤務、医療従事者など)を明らかにした上で、
一言のご挨拶くらいは書き添えていただきたいと存じます。
(他人に教えを乞う、意見を聞くときの最低限のマナーですね)


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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パイロットの適性検査

昨夕、6時前くらいでしたでしょうか、若い男性の声で電話がありまして、
航空機のパイロットを目指しているけれど、外斜位があるのでどうしたらよいか?
というような相談でした。ニュアンスとしては、
ビジョントレーニングで斜位は治るか?
という感じでしょうか。

ご自身で、それなりに勉強して、斜位の知識は少々あるようです。
メガネ量販店の非正規雇用の店員よりは、よほど話が通じそうです。

・病院で検査したところ、遠見で6△(プリズムディオプトリー)、近見で10△の外斜位(プリズムカバーテスト)
・輻輳力は悪くはない、とも
・その処方を持ってメガネ店に行ったら、これじゃ強すぎると言って片眼1△、つまり2△のメガネを作られた
・ワイヤービーズ(ブロックストリング)のトレーニングはしている
などなどの断片的な情報は得られましたが、
過去に何度か書いてますが、この手の質問に答えるのは一般論でしかできません。

遠見・近見の斜位量と、輻輳は悪くないというところから、
開散過剰型や輻輳不全型の外斜位ではないことが想像できます。つまり基礎眼位のズレです。
残念ながら、輻輳のトレーニングをしても外斜位が治るわけではない、ということをお話しして、
ただし、輻輳余力があれば両眼視に持ち込むことは容易になるので輻輳トレーニングはやったほうがよい
と説明しました。

ただ、私などもそうですが、輻輳力と融像力が強くて、検査で斜位が現れないことはあります。
私も以前はわずかながら外斜位はあったはずなのですが、
輻輳力が平均値を大きく上回るほど強いので、
偏光視標であれ、プリズム分離であれ、斜位が検出できません。
しかし、斜位が治ったわけではなく、
オルタネイトカバーテストでは確実に斜位はあることがわかりますし、
アルコールで酔った時に、自分の目が外斜しているのを自覚することもあります。


航空機のパイロットの適性検査は、不適合状態は「斜視」であって「斜位」は該当しないはずです。
斜位があっても、遠見視力、中距離視力、近見視力、両眼視機能及び眼球運動検査について
基準に適合することが確認されれば、適合とされるはずです。
もちろんプリズム眼鏡の装用も可です。

これまでに、航空大学校に入学が決まったかた、自衛隊の戦闘機パイロットを目指しているかた、
民間航空会社のパイロットのかた、
などの深視力用のメガネを調製したことがあるので、
眼についての適性検査の基準はおおまかに頭には入っていましたので、
まあ問題は無いのでは?と感じましたが、
パイロットの試験ではなくて、航空会社の入社試験だと言うことでした。

会社が会社の判断で基準を設けているとしたら、それはどうしようもありません。
でも、斜位があっても、両眼視機能が良好ならば問題は無いと思うのですが。
そんなこと言ってたら、日本人の半分はパイロットになれません。
深刻なパイロット不足に見舞われるのではないでしょうか?


斜位検査については、その検査方法によっては誤魔化すことはできます。
偏光指標を使う検査や、プリズム分離法、ショーバー・テストあるいはマドックス計だったらば、
ズレていても、ズレていない、と主張すれば、検者にはそれを証明する手立てがありません。
などと下衆なアドバイスもしましたが、交代遮閉法だそうです。
うーん、オルタネイトカバーテストで判定されるとどうしようもないです。
完全な他覚的検査で、融像を破られてしまいますので融像力が強くてもどうにもできません。


お決まりの、あくまでも一般論で、実際に見てみないと具体的にはお答えできない旨お話ししましたら
東京在住でそれも難しいということでした。
東京なら、私よりもよほど詳しい人がいっぱいいるだろうに、と思いながらお話を終えましたが
受話器の液晶についているタイマーが15分をちょっと超えていました。


その間、某眼鏡機器メーカーの営業マンが、玄関先で寒そうにずっと待機していました。
なかなか気の回る青年で、私が取り込み中であることを察して、中に入らずに外で待機してくれていました。
空気の読めない営業マンだと、構わずズカズカと入ってくるんですけどね。(;^ω^)


それはさておき、眼科でオルタネイトカバーテストで遠見6△の外斜位と診断されていて、
メガネ店では強すぎると言われて減らされた、という件とか、
いろいろ疑問に思うところも多い相談でしたが、
実際に自分のやり方で見てみないと大したアドバイスはできません。
じゃ、検査だけしてしてアドバイスしてくれ、と言われても、
当店はメガネ店なので、メガネを作る目的のために検査をしているので、それも困るのですが。


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近見視力表

近見視力表の記事に、非公開のコメントをいただきました。。

IMGP2050.jpg

公開されたくないという意思表示だと思いますので、文面の引用はしませんが、
大雑把に言うと、
この視力表を売ってくれ、そしてその場合の価格は?
というようなことです。

同業者のかたでしょうね。



残念ながら販売は出来ません。
これを作るためには、細かい作業を数時間要します。
一人ではやりにくい行程もあって、二人掛かりでやらないといけない作業になります。
現在の視力表が壊れたら、寝る時間を削ってでも否応が無しにやらないといけないですが、
この作業を誰かのためにやれと言われてもモチベーションがありません。

それに、売るとなると医療機器としての承認がいるのではないかと思いますので、
そんな面倒なことはご免こうむりたいです。


カッティングプロッタがあれば、市販の偏光シートやらアクリル板などを買い集めれば自作はできます。
レーザープリンタもあったほうが良いですが、インクジェットプリンタでも出来ないことは無いです。

作り方は、日本眼鏡技術研究会(現・眼鏡技術向上研究会)の会誌にて解説しています。

190914_1.jpg

入会しなくても入手できるかもしれませんが、
もし入会していただければバックナンバーとして確実に手に入りますし、
私も材料の提供とか、お手伝い出来るかもしれません。
カッティングプロッタのデータ(イラストレーターのファイル)もお譲り出来ます。

カッティングシートをアクリル板に転写する作業がもっとも難関でして、
何枚も失敗を繰り返すかもしれません。

それさえできたら、後は偏光シートやらカラーシートなどを根気良く貼って行くだけです。
難しい作業は特に無く、ひたすら根気です。

歳を取ると、そういう地道な作業が億劫になってきました。
壊れないように大事に扱おうと思います。


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残余乱視について質問がありました

朝イチに、何やら「けったいな」電話がありまして・・・・

普通なら、
「○○の△△と申しますが、お聞きしたいことがありまして・・・云々」
という件からはじまるのが社会的な常識だとは思うのですけれども。

とりあえず、内容は、

S+0.50D C-1.00D Ax90の眼に、乱視軸を間違えてS+0.50D C-1.00D Ax180とした場合の残余乱視

という趣旨の質問でした。

要するに、
S+0.50D C-1.00D Ax90の眼に対して、
S+0.50D C-1.00D Ax180と処方を書き間違えたり、メガネ屋が間違えて作ってしまった場合
それを掛けた患者(消費者)はどうなるか?
ということです。



これに回答する場合、
相手がどういうレベルにあるかたかわからないと、非常に答えにくいです。
単なる一般の消費者のかたかもしれないし、同業者かもしれない、医療関係者かもしれません。
同業者、医療関係者にも、その知識レベルには差があります。
社会的な常識の点もそうですが、こういう事情もあるので、
自身の職種や立場みたいなものをあらかじめ名乗っていただきたいということです。


そこで職業を聞くと「検査に従事している」ということでした。
正直なところ、検査に従事しているかたがこれを疑問に思うとしたら、ちょっと不安になるレベルではあります。

結論として、残余乱視は倍になります。
とお答えすると、
符号は?
と聞かれました。

はぁ?
「符号」というのは、数字の頭に付いている「+」や「-」のことですが、
符号なんてどっちでも関係ないというかどちらでも表記可能です。
この場合の正確な残余度数は
S+1.00D C-2.00D Ax90
とするのが、まあ、わかりやすい表記ですが
S-1.00D C+2.00D Ax180
でも正解です。
この二通りの表記はどちらも同じ度数です。

度数変換と言いまして、眼鏡専門学校では、たぶん、最初の1週間のうちに習う基本です。
検査の場においては、調節力の介入を防ぐため
乱視レンズはマイナスレンズを使う事になるので、
普通はマイナスシリンダー(C-*.**)で表記することになりますが、
レンズの発注の段階で、プラスシリンダー(C+*.**)に変換しないといけない場合もあるので、
これは瞬時に頭の中で変換できるようにならないとダメです。


それと
この場合の考え方は?
と、これまた電話口で答えるのが難しい質問があったのですが、
まあ、考え方も何も、単純に ↓ です。
お馴染の(?)主経線で考えるとわかりやすいです。(たぶん)

190821_1.jpg

乱視というのは、眼の屈折異常と逆の屈折を持つレンズで相殺して屈折矯正するものです。(上段)
それを乱視軸を反対に間違えてしまうと、屈折異常の量が倍になります。単純にそれぞれを足すだけです。(下段)


今回の質問は、乱視軸が逆なだけなので、単純に残余乱視は倍になるだけですが、

S+0.50D C-1.00D Ax90と処方すべきところ、9を8に書き間違えてしまったとします。
つまりAx80になると、これは三角関数を駆使しての計算が必要です。

S+0.175D C-0.35D Ax130
度数変換しますと
S-0.175D C+0.35D Ax40
となります。


尚、こういう問い合わせは、電話よりもメールでいただいたほうが助かります。
来客中や手の離せない仕事中に電話を頂いてもお相手出来ない事もありますので。

メールなら手の空いたときに返事が出来るし、
もし残余乱視のような計算が必要な場合、正確に計算した返答ができるからです。
三角関数を暗算できるほどの優秀な脳みそは持ち合わせておりません。

尚、メールには、お名前と職種、連絡先くらいは記載をお願いします。
匿名のメールに対しては、それなりの返答しか出来ません。


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自覚的屈折検査の返答

以前も同じような趣旨のことを書いたかもしれませんが、重要なことなのでもう一度書きます。


顎を台の上に乗せてピッピツと屈折度数を測定する装置があります。
オートレフラクトメーターといいまして、おおよそ何処の眼科でも眼鏡店でも設置してあるでしょう。
これを「他覚的屈折検査」といいます。

これで得られたデータを基に、検者と被検者が対話方式で、
より正確な屈折度数を求めて行くものを「自覚的屈折検査」といいます。
なんか、この自覚的屈折検査を省くメガネ店があるとか聞きますが恐ろしいことです。
それはさておき、

この自覚的屈折検査の過程で
反転させた前後でどちらが見え易いかを問う場合があります。

この「トワール」「クロスシリンダー」と呼ばれる検査器具を使う場合などです。

190322_1.jpg

あるいは、この「レッドグリーンテスト」や、偏光板を使った「偏光レッドグリーンテスト」では、
赤が見易いか緑が見易いかを尋ねられます。

190322_2.jpg

明確に違いを感じられるときは、お返事は即答頂けますが、
違いが微妙になってくると、お返事の歯切れが悪くなってきます。
そうすると、お客様の表情に、不安や、ちゃんと答えられない焦りや罪悪感みたいなものが現れることがあります。

はい、それで良いのです。
この検査では、「判断が付かないところ」を探しているので、
お返事が滞るというのは、正しい反応で、その場所を探していたのです。


例えば、レッドグリーンテストですが、
視力表から届いた光線が、角膜や水晶体で屈折し、その焦点もしくは最小錯乱円が
網膜の前後どちらかにあるのか調べています。
赤が強ければ網膜の前方、緑が強ければ網膜の後方、同じならば網膜上ということです。
ただし調節が介入している場合があるので、「緑が強い」状態以外は完全には信用してはいけません。


「トワール」の場合は、反転させることで、プラスとマイナスの度数を付加させますので、
マイナスが見え易ければ度数をマイナス側へ、プラスが見え易ければ度数をプラス側へ寄せる、という形です。
どちらも同じだとすれば、現在の度数が正しいということになります。


「クロスシリンダー」も同じことです。
最小錯乱円を網膜上に置いて、反転前後で見え方を比較します。
反転前後で最小錯乱円の大きさが変わることで明瞭度が変わるのですが、
変化が無い時はその乱視角、乱視度数が正しい、と判断できるわけです。


私たちは、お客様の返答だけではなく、表情の変化も観察しながら検査をしていきます。
無理に答えようとか、どちらかはっきりさせないといけないのか、などと考え込まないで、
感じたままをお答えいただければ結構です。


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