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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

内斜位の相談が続きました

内斜位による複視の相談が続きました。(同じく女性です)

脳外科でMRI検査の結果、異常無し。
有名な眼科開業医のもとを訪れると、異常無しで、サンコバと思われる点眼薬と
ビタミン剤を処方されて様子をみましょう、とのこと。

プリズムレンズの要望をしたところ、
理由の説明も曖昧に「必要無いでしょ」で一蹴されたという事で、
「途方に暮れて(お客様の弁)」当店に電話をしてこられまして、
当日のうちにご来店されました。


単眼を遮蔽しての屈折検査で弱度~中等度の近視性乱視がありました。
カバー・アンカバーテストでは内斜位、
オルタネイトカバーテストでは、10△は遥かに超えるであろう量の内斜位の動きを見ました。

近視の内斜位は、まず球面調整で様子をみますが、全く変わらず。
右目に6△を基底外方に入れ、左に5△(6△は基底が内方を向いていたため)入れると
「あっ!」
と、思わずお客様の口から声が出ました。
二つに見えていた視力表の画面が重なって一つになったとのことです。

結局、一部融像除去眼位は完全矯正値で17△基底外方左1△基底上方となりました。
近視の基底外方は耳側の厚みが大きいこと、
将来的に斜位量が減る可能性も無い事は無い、など、いろいろお話ししながら
複視が解消するもっとも弱い量でプリズムレンズを調製しました。
内斜位は、全量の矯正をしないと複視が消えないことも多いのですが、
これよりは弱い度数で複視は解消したのが幸いでした。


強いプリズムレンズ、特に内斜位では、色収差や像面の湾曲・歪曲を感じたりして掛けにくい場合も多いですが、
複視の辛さのほうが圧倒的に強いので、割と短期間で慣れて頂けます。
お渡しした当日、そのまま掛けて帰られました。

眼科で、けんもほろろな対応をされた時は途方に暮れたそうですが、
明るい笑顔で帰って行かれました。
お役に立てて幸いです。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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妥協点

近視・遠視・乱視の屈折異常のあるかたに対して、
単眼遮蔽屈折検査の後、両眼視機能の評価をし必要ならばプリズム矯正をした後、
両眼開放屈折検査をして、調節バランステスト、調節緩解テストを行えば、
いわゆる「完全矯正値」が得られます。

無調節状態で、無限遠から来た平行光線が網膜上に点結像する状態です。
静的屈折状態において、平行光線が網膜上に点結像すると言い換えても正解です。
そして、これは「正視」のかたと同じ屈折状態です。

つまり、屈折異常のあるかたが、「完全矯正値」で調製したメガネを装用すれば、
「正視」のかたと同じ屈折状態
になるわけです。


私のメガネは、自分で自分のメガネの度数を決めるようになってからは、常に完全矯正値です。

190211_1.jpg

これはもっとも最近合わせたメガネレンズの袋です。
度数は
R=Sph-3.25D Cyl-0.50D Ax90 Add2.50D
L=Sph-3.50D Cyl-1.00D Ax70 Add2.50D
で、この度数での矯正視力は右1.5、左2.0です。
右目は網膜裂孔の際の飛蚊症で、左に比べて少し見え方が落ちています。


個人的には、屈折異常の矯正は、完全矯正値が当たり前だと思っています。
調節・輻輳・縮瞳という「近見反応」のバランスを保ち、
「両眼視機能」を最大限に発揮できる環境に置くことができるからです。

ただ、完全矯正値にすると、違和感を感じたり、眼精疲労を訴える場合があるので、
誰でも完全矯正というわけにはいかないことも多いのが現状です。
その原因は、乱視だったり、左右の屈折差だったり、調節力の低下だったりと様々ですが、
「見え過ぎて疲れる」といった主訴もあったりします。
(見え過ぎというよりは、それまでが見え無さ過ぎているだけのことが多いです。)


それで、違和感を感じる場合は、度数を下げざるを得ないのですが、
どこまで下げるかは、ケースバイケースとなります。



例えば
Sph-0.50D Cyl-1.50D Ax20
という眼に、完全矯正値を入れると空間が曲がって見えるということがあります。
乱視の度数を0.50下げて球面値に0.25を加える(等価球面理論)という方法を使えば
網膜像は、点から錯乱円になり矯正効果は落ちます。
これでも違和感が残ってしまい乱視角を水平方向に10度ズラしたとすると
残余乱視が合成されて、さらに乱視矯正効果は34%も落ちてしまいます。


あるいは、
R=Sph-0.25D
L=Sph-4.50D

という不同視眼。
単純に、左目の度数を上げれば矯正視力は右目に近付くような状況です。
この左右差の耐性には個人差があって、
L=Sph-1.00Dくらいでも違和感を訴える場合もあれば
いきなりSph-4.00Dくらいでも大丈夫なかたも(まれに)いらっしゃいます。

私たちの目は、両眼のチームワークで「両眼視機能」という非常に高度な能力を持っていますが、
不同視眼の未矯正では、その機能も十分に活かせません。
低矯正のまま、長期間の放置は、外斜位にも繋がります。


良好な矯正視力を得ようとすれば違和感があるし、
違和感を無くせば矯正視力が不十分、ということですから、
なるべく高いところで折り合いをみつけたいところです。

しかし、なるべく高い妥協点を目指せば違和感のクレームが出ます
クレームの出ないように妥協点を下げると、それはそれでお客様の利益に繋がらないかもしれません。


店の不利益にならないようにするためには、クレームを出さない対応をしたいですが、
クレームを嫌えばお客様の不利益に繋がるわけで、
このあたりのせめぎ合いは難しいです。



金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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検査の依頼

昨日、男性より電話がありました。

「30cmの距離で、近見視力0.5以上あることの証明が欲しいので検査をしてくれ」

という内容でした。
どうやら、近見視力の測定には、当店にあるような(当店にしか無いような)特別な近用視標を持った器機が必要だと思われたようです。

実は、近見視力だけの測定でしたら、このような検査機は必須ではありません。
必要な視力表は、どこの眼科でも所持されているはずです。

180818_1.jpg

ひらがななのに「万国」というのもどうかと思うのですが、
中には、30cmの距離で見たときの視角を計算して視力がわかる、ひらがなとランドルト環による視力表が印刷されています。

180818_2.jpg
(古くて色褪せたりシミが出来てますが・・・)

近用視力を測るだけならこれで十分です。というか、これがもっとも信頼できる近用視力表です。


当店に設置の器機は、視力よりも、
眼位、融像、不等像、調節ラグ、加入度数、左右の調節バランスなど、
近見時の両眼視機能を調べることが目的です。


そして、職場だとか、何かしらの資格試験に提出する「証明書」は、
普通は、医療機関で、医師の診断書みたいなものが必要だと思います。
街の片隅で細々とやっているぁゃしぃメガネ屋のものが有効とは思えません。

ということで、眼科にご相談いただくようにお話しいたしました。



また、本日の午前中のことですが、
「小学3年生の子供の両眼視機能検査をして欲しい」
という電話がありました。

当店はメガネの小売店です。
基本的に、お客様との共同作業でメガネの処方度数を決定するために、
必要な情報の収集の一環として種々の検査をしておりますが、
診断目的のためにやっているのではありません。
その収集した情報から色々とご説明することもありますが、それは診断とは違います。

ただ、当店に相談が来たその理由は、
「眼科で両眼視機能について相談したけれど取り合って貰えなかった」
ということなのですけれども。 (-_-;)

ただ、カバーテストなどで、眼位の定性の把握は数秒で出来ると思いますので、
やった上で、特に異常無しと判断されたのかもしれませんが。



結論として、
当店はメガネ店ですので、メガネ調製(作成)を目的としない検査はお引き受けいたしかねる、
というのが基本的なスタンスですので、事情をご理解のほど、よろしくお願いいたします。


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ドイツ式両眼視機能検査

昨夕、
「HPを見たのだが、そちらではドイツ式の両眼視機能検査をしているのか?」
と言う趣旨の電話がありました。
「yes」でもあり「no」でもあり、「yes」でも無く「no」でも無い、
説明すると長くなる話ですので、ちょうど来客中ということもあってお返事は出来ませんでした。
大変失礼いたしました。


両眼視機能検査は、ドイツ式のものとアメリカ式ものがあります。
もしかしたら、他にもローカルなものはあるかもしれませんが、
一応この国ではドイツ式とアメリカ式がメジャーとされています。


両者には大きな違いがあります。
細かな違いは端折って、大雑把に(←ここ重要)違いをあげると、
ドイツ式ではZEISS社のPOLA TESTという偏光視標を持つ視力表を使って検査しますし、
アメリカ式では、フォロプターという装置を使って、フォン・グレーフェというプリズム分離法で検査します。

前者は、融像刺激が残る「一部融像除去眼位」が得られますし、
後者は、融像刺激を排除した「融像除去眼位」が得られます。

また、前者は、運動神経性融像はもとより感覚神経性融像に潜在するわずかな固視ズレも炙り出そうとしますが、
後者は感覚神経性融像を可能たらしめる最小限の運動神経性融像を補助するとの考え方をします。
つまり、前者は漏れ無く最大量のプリズム矯正を行うものであり、
後者は最小量のプリズム矯正を行うものと言えます。


それで、当店ではどうなんだといいますと、
ドイツ式と同じく、偏光視標を使って一部融像除去を測定しています。
私たちは普段、融像刺激のある環境で両眼視をしながら生活していますので、
融像除去眼位よりも一部融像除去眼位の方が、より自然な状態の眼位を測定できると考えるからです。
そして、両眼視機能のみならず、両眼開放屈折検査とのシームレスな連携が可能になることが、
偏光視標を使うもっとも大きな理由です。、

しかし、ZEISS社製のPOLA TESTでは無く、NIDEKとTOPCONの偏光視標を使っていますので、
この時点で正統派のドイツ式とは言えません。
NIDEKの視力表では、POLA TESTと全く同サイズの偏光視標が使えますので、同じ結果は得られるはずですが、
ドイツ式ではZEISSのPOLA TESTを使うことが前提ですので、
それ以外の視力表を使用しては、ドイツ式と標榜するのは無理があるのです。



また、ドイツ式では、第二立体視視標と立体視標の前後反転を駆使して、
感覚神経に潜在する微小な固視ズレまでも補正しようとしますし、それがドイツ式の肝だと思うのですが、
この検査は、被験者の曖昧な感覚や、検者の誘導に左右されやすい微妙なもので、
私にはエキスキューズを感じる部分ですので、後述する理由と合わせて私はさほど重視してはおりません。
ですので、偏光十字、コの字、時計、立体視標など、
ドイツ式と同じ、一部融像除去眼位を検査してはいますが、この点でも正式なドイツ式とは言えません。


ドイツ式両眼視機能の論文に、
POLA TESTプリズム法、ショーバーテスト(色分離法)フォングレーフェの3者を比較したものがあり、
他のテスト比べて、POLA TESTは、より多い量のプリズム矯正をする、という結果があります。
感覚神経に潜在する固視ズレまで矯正しようとした結果だと思います。
このわずかな固視ズレが、感覚神経性変化を起こして両眼視機能が損なわれると考えるのがドイツ式で、
被験者の持っている融像力を最大限に生かすすように最小限のプリズムを与えるだけに留めるべきというのがアメリカ式です。
シェアードとパーシバルが発展させた矯正規則はまさにこの部分になります。


プリズムで斜位を矯正すると、眼位は安静位に近づきます。
外斜位の場合は外側に、内斜位の場合は内側に視線がズレます。
小さなプリズム量ですと外見上の変化はほとんどわかりませんが、
大きな量のプリズム矯正では視線が大きくズレてしまいますので、
美容的な意味合いで、大きな量のプリズム矯正はしにくいという側面もあります。
また、大きなプリズム矯正には、空間の違和感や、レンズが厚く重くなるなどの物理的な問題もあるので、
良好な両眼視機能が維持できる最小限のプリズム矯正に抑えたいというのが、
前述の理由の一つでもあります。


他にも言葉が足らない部分がいくつもあるとは思うのですが、
電話でのご質問に端的に「yes」だとか「no」だとお答え出来ない複雑な事情があるわけです。

私のやり方は、ドイツ式がベースにはなってはいますが、
むしろ、両眼開放屈折検査のパイオニアである花井譲氏と岡本隆博氏の提唱するメソッドを取り入れた
花井・岡本式と言えるものかもしれません。

ご期待に添えず申し訳ございません。


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近視で内斜位

お隣の富山県より、
「内斜位のメガネを作って欲しい」
というかたが来店されました。

前回、眼の不調を感じて、遠隔地にある両眼視機能検査をしているというメガネ店まで行かれたようですが、
より近い当店をインターネットでご覧になられて来店されました。


前回のメガネ店より「特殊レンズ」と記された注意書きをお持ちでした。
それには、「5メートルに付き5cmのズレがある内斜位と上下斜位」と図解付きで書かれていました。
要するに1プリズムディオプトリーずつの内斜位と上下斜位があるということです。

プリズムが「特殊レンズ」なのか?というツッコミはまあ置いておいて、
近視で内斜位」というのは、本当にそうなのかは、少し疑ってかかるべきです。

案の定、オルタネイトカバーテストをしましたら、内斜位では無く外斜位でした。


単眼遮蔽屈折検査、両眼視機能検査を経て、両眼開放屈折検査にて、
R=Sph-6.00D Cyl-0.50D Ax175
L=Sph-6.25D Cyl-0.25D Ax175
1.5△B.in
左 0.75△B.up

と5m視標での完全矯正値を得ました。
偏光視標を使いましたので、一部融像除去眼位となります。


本来、外斜位なのに、眼位検査で逆に内斜位と判断されることはあります。

1メートルほど前に置いた黒っぽい箱型の視力表、近接BOX型を使ったり、
フォロプターという上から吊るす形の検眼機を使ったりした場合。

過矯正の屈折状態で眼位検査をして、調節性の輻輳が介入した場合。

あるいは、被検者(検査を受けるかた)が緊張していたり、
輻輳力が強かったりした場合。

他にもありますが、レアなケースですので割愛します。


繰り返しますが、
近視で内斜位というのは、まず疑って掛かるべきです
(絶対に無いわけでは無いです)

余計な調節や輻輳(寄り目)を除去して慎重に調べないといけないのですが、
時々、こういう間違ったケースは見掛けます。

特に近接BOX型の省スペース検眼機では、起こりやすいので要注意です。

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