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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

合っているかどうかの判断

「このメガネ合ってるか見て欲しい」
「メガネが合ってなかったらレンズを換えて欲しい」


というような依頼は結構あります。
でも、それの判断が難しくて・・・というか、
それを決めるのは私ではなく、装用者の側の判断であることが多いです。


例.1
完全矯正値が
Sph-2.00D Cyl-0.75D Ax15
という眼に対して
Sph-1.50D Cyl-0.50D Ax10
というメガネを装用していたら、
残余度数は
Sph-0.49D Cyl-0.27D Ax24.0
となります。
これは合ってるかどうかは微妙ですね。
遠用度数は完全矯正値にすべき、という考えなら合っていませんが、
装用者が、自覚的な見え方に「不自由はない」と考えているならば合ってるということだと思います。
それを「合っていないからレンズを換えましょう」とは私は言えないです。
補足するならば
「もっとよく見える度数はありますが、お客様が不自由を感じていなければ、敢えて換える必要はないです。」
とお答えせざるを得ません。


例.2
完全矯正値が
Sph-2.00D Cyl-0.75D Ax15
という眼に対して
Sph-2.50D Cyl-1.00D Ax165
というメガネを装用していたら、
残余度数は
Sph+1.08D Cyl-0.90D Ax51.9
となります。
残余度数がプラスになるのは近視の過矯正ですから、これはまあ合ってないな、と客観的には判断しますが、
それでも、装用者が「不自由はない」と考えているならば、
これもやはり「合ってないからレンズを換えましょう」とは言いにくいです。
これも補足を加えるならば
「過矯正なので客観的には合っているとはいいがたいですが、使っていて不自由はありますか?」
とお伺いすることになります。
あるいは
「この度数と、現在のメガネを掛け比べて違いはいかがですか?」
と判断を委ねることになります。
それで
「大差ない」
などとと言われてしまうと、どうしようもありません。


合っているかどうかの判断は、この残余度数の大きさと質(プラス側かマイナス側か)に依るものだと考えますが、
それ以上に、装用者の自覚的な判断が優先されるものと思います。
ただし、眼に気質的な異常が無いにもかかわらず、各種免許に必要な矯正視力が無い場合は
装用者の自覚によらず、合っていない、ということになります。


ちょっと違う例を挙げますが

例.3
完全矯正値が
R=Sph-2.00D Cyl-0.75D Ax15
L=Sph-2.00D Cyl-0.75D Ax15
2△基底内方の外斜位があったとして、
R=Sph-2.00D Cyl-0.75D Ax15
L=Sph-2.00D Cyl-0.75D Ax15
プリズム未矯正のメガネを装用していた場合。
ドイツ式にポラテストプリズム法的に考えると、
眼位のズレの放置は感覚神経性変化に繋がるので矯正すべき、よって合っていない、ということになりますが、
融像幅が普通にあればアメリカ式のオプトメトリーではプリズム不要と判定されるでしょう。
ご本人に全く外斜位による自覚症状が無く、
感覚神経性変化による立体感の低下などの所見が無ければ
私も、敢えてプリズム矯正はする必要が無いと考えると思います。


以上、つまらない能書きをだらだらと垂れ流してきましたが、
合っているか合っていないか、YESかNOかは、単純には言えない事情があるのです。
他の要因として、レンズの傷やコーティングの劣化、フレームの劣化なども考慮して
適切な交換時期の判断をされてください。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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乱視の検査をして欲しい

乱視の検査をして欲しいので予約したい、という電話がありました。
メガネを作るのではなく、乱視の検査のみをして欲しいということのようです。


これも過去に書いておりますが、
当店はメガネの小売店です。
お客様との共同作業でメガネの処方度数を決定するために、
必要な情報の収集の一環として種々の検査をしておりますが、
診断目的のためにやっているのではありません。
その収集した情報から色々とご説明することもありますが、それは診断とは違います。

言い方を変えますと、私たち眼鏡技術者は、
お客様が自身のメガネの度数を決定するための自覚的屈折検査のお手伝いをしていると言うことです。

メガネ調製(作成)を目的としない検査はお引き受けいたしかねる、
というのが基本的なスタンスですので、事情をご理解のほど、よろしくお願いいたします。

金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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視力表の話

当店では、5メートル視力表を使っております。
理由は過去にも書いておりますが、調節の介入を極力防ぐためです。

現在使用している2台の視力表は、内部光源式で偏光視標を備えたものですが、
今現在、この種類の視力表は発売されておりません。
それどころか、製造中止から長い間経過してしまっており、メーカーによる修理も不可能です。

201104_2.jpg

上段の視力表がメインで使っているN社のものですが、これももう壊れたら修理できません。
というか、この機械も、すでにサンコイチになって生き残っているんですが・・・

某メーカーに騙されて、どうしようもない理由で近接ボックス型視力表を買いましたが、
使い物にならないのがわかり、急遽、5メートルの内部光源式の視力表を求めようとしたら、
すでにその時点で販売は終了しておりまして、新品の入手は不可能でした。

3メートル用の視標の付いた機械をたまたま入手しておりましたので、
視標のフィルムだけを5メートル用に交換して使おうとメーカーに注文したところ、
すでに生産が終わり用意出来ないと言われてしまい困っていたら、
気の利く営業マンが廃棄予定の機械から5m用の視標を取り外して持ってきてくれました。
かなりススで汚れていたので、アルコールで何度も拭いて汚れを落とし、
自分で視標を入れ替えました。
(この時点でニコイチ)
そうして10年ばかり動いていたのですが、
こちらに移転してしばらくすると、動作がおかしくなってきました。
フィルムの回転が少しずつズレてきて、提示したい視標がスクリーンから切れてしまうというものです。

たまたま御用伺いに来た営業マン(前述の営業マンとは別人)に話をすると、
何と営業用ワゴン車の荷台に、どこかの眼科から処分を依頼されたという、
筐体が真っ二つに割れた同じ機種の視力表が積まれており、
「動くかどうかわかりませんが」と取り出してくれました。
その機械部分に当店の筐体を被せてみると無事に動き、奇跡的に復活しました。
(こうしてサンコイチとなりました)
こんな奇跡はそう起こることでもないし、そもそもまともに動く中古品の絶対数も減っていくでしょうし、
いざ壊れた時のために、次期機種の選定にメーカーのホームページを見ていたら、
なんともぶったまげた視力表がありました。

201104_1.jpg
(画像は少々細工しております)

これまでに、フォロプターや近接ボックス式(省スペース)検眼器について、
調節や輻輳の介入が起こりやすいといった欠点を何度か記したことがありますが、
なんとその二つが禁断の合体をするという驚きの事態です。

まあ、プリズム分離での眼位測定、内よせ外よせ検査などを行って眼のデータ収集に使い、
眼鏡処方のための屈折検査は、別の5m視標でやるというならば良いのですが、
そんな面倒なことするくらいなら、最初から5mでやれ、って話ですけどね。
まあ、当店では絶対に導入はしません
認定眼鏡士など、それなりの知識・経験のあるかたが経営するメガネ店でも導入しないでしょう。(多分。)
手順をプログラムできるので、もしかしたら、大手チェーン店で、社員教育目的には使えるかもしれません。
検査の手順とか道理を教えるには使えると思います。(エンドユーザーには使って欲しくない)


それはそうと、次の機種は、今のところ決めました。
というか、現状ではもう一択です。
さらに新しいものが出ればまた考えますが、現状、偏光視標を備えた液晶式の視力表が最有力です。
検査距離も最大で6mまで伸ばせるようですので、導入の際は、店舗改装して6mを確保する予定です。

5mだと無限遠に比べて0.2Dの誤差がでます。
6mだと0.1666666D(同)で、5mとは0.0333333とわずかな差となります。
3mの場合は0.3333333Dと大きな誤差が出ますので、やはり検査距離は5m以上が欲しいということです。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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クロスシリンダー・続き

ご注文いただいていたメガネをお引き取りに来られたお客様より、
「おやつにどうぞ♪」とお菓子を頂きました。

ありがとうございます。

当店お隣の bien Bake さん
の「カヌレ」かと思います。(お菓子に詳しくないので間違っていたらごめんなさい)

201021_6.jpg

お菓子の画像も撮ったことが無いので、センスなくてスイマセン。



さて、このお客様ですが、オートレフのデータは以下の通りでした。

201021_7.jpg

ご使用中のメガネは、量販店のロゴの入ったもので

R=Sph-3.50D
L=Sph-3.75D

という度数でした。


オートレフのデータに乱視が検出されなくても、クロスシリンダーをやると乱視が検出されることはよくあることで、
実際に両眼開放屈折検査による完全矯正値は

R=Sph-3.00D Cyl-0.50D Ax130
L=Sph-4.00D Cyl-0.25D Ax45

で、2△の外斜位がありました。


昔から、オートレフは近視側に強く出やすい、乱視が強く出やすい、と言われていました。
そのせいか、最近のオートレフは、近視側に弱く、乱視を弱くというアルゴリズムが組まれているような印象を受けます。
当店の使ってきたオートレフも、少なくとも過去2台はそうです。


さて、オートレフで乱視が無いと判定されても、疑り深い眼鏡技術者ならそれを鵜呑みにすることはないはずです。(たぶん)
そうであってほしい。

球面レンズで焦点、あるいは最小錯乱円かもしれません、を網膜上に置いた状態で、
クロスシリンダーの軸を「90-180」にセットして反転させて見え方を比較していただきます。
違いがなければ、クロスシリンダーの軸を45度ズラして再び反転。
これでも違いがなければ、やっと乱視が無いと判断できます。
ほんの数秒の手間で確認できますので、必ずやるべきです。

しかし、
例えば、「90-180」の反転で「90」が見えやすいと答えが返ってくれば
「45-135」で再び比較していただき、
「45」が見えやすいならば乱視軸は45~90度、「135」が見えやすいならば乱視軸は90~135度の間にあるはずなので、
いつものクロスシリンダーの手順で追い込んでいくだけです。


このお客様の場合、
右目の乱視レンズを外して、放射線視標を提示すると、
「4時と10時とその隣が濃い」と返事がありまして、
乱視レンズを入れると「あっ、揃った」という教科書どおりの反応がありました。
当たり前のことですが、完全矯正値の状態から乱視を抜くと、後焦線は網膜上に位置しますので、
放射線の濃淡は最大になります。



オートレフは鵜呑みにせず、乱視の自覚的検査はちゃんとやりましょう、というお話でした。
じゃないと、このお客様の右目のように、
過矯正(強過ぎる)なメガネを強要されてしまいます。


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クロスシリンダー

これは、深視力用のメガネの相談に来られたお客様のオートレフデータです。

201017_1.jpg

ご覧のように、右は安定していますが、左は1回目と2回目に大きな誤差があります。
こういう時は、さらに何度か測定すれば、いくらか信頼度の高い数値も出てくることもありますが、
いつもの癖で片眼2回ずつ測定しました。
どうせ、自覚検査で細かく測定するので、目安さえわかればそれでよいのです。

201017_2.jpg

そして、これが最終的に発注した度数になります。

R=Sph-2.50D Cyl-1.00D Ax1 0.75△B.in
L=Sph-1.00D Cyl-2.50D Ax179 0.75△B.in
S、Cともに完全矯正値。

左眼の、オートレフの数値と自覚的屈折検査の最終値に、かなり解離がありますが、
3回やって3回とも同じ結果になったので、自覚的屈折検査は正しいです。
再現性は正確さの裏付けとなります。
念のため、オートレフデータとの掛け比べをして、確認はしています。
中間透光体の「何か」で光が錯乱して、オートレフデータの不正確に繋がったのでしょう。


さて、クロスシリンダーですが、
クロスシリンダーをスタートさせる度数には条件があります。
充分に収れんした最小錯乱円を、網膜上に置いてスタートさせます。
レンズの度数単位が0.25D刻みなので、ぴったり網膜上に置くことができない場合、
例えばSph-0.75Dでは網膜の前、Sph-1.00Dでは網膜の後ろならば、後者を選びます。

最初にセットする乱視軸は、予想される乱視軸でもよいですが、
敢えて数度ズラして置いたほうが被検者の反応がわかりやすかったりします。

上記のお客様の左眼の場合では
Sph-1.25D Cyl-2.00D Ax175 をセットして、クロスシリンダーの開始、
反転させて「進め」の返答でAx180にリセット、
反転させて「戻れ」の返答でAx177.5(くらい)にリセット、
反転させて「進め」の返答でAx178.75を四捨五入してAx179となりました。
乱視がある程度強い場合、このように1度近くまで追い込めることが多いです。

さらに、乱視軸とクロスシリンダーの軸を合わせて
反転させて「上げろ」の返答でCyl-2.25Dにリセット、
反転させて「上げろ」の返答でSph-1.00D Cyl-2.50Dにリセット
反転させて「上げろ」の返答でCyl-2.75Dにリセット、
反転させて「下げろ」の返答でCyl-2.50Dで度数が決定しました。

乱視度数がスタートよりも0.50D上がったので、乱視軸の再確認もしています。

文字にすると、複雑な手数のように見えますが、やり慣れたルーティーンなのでたいした時間は掛かりません。
測ったことも無いので正確な時間はわかりませんが、1分も掛からないんじゃないかと。
岡本式クロスシリンダー有る無し法を使うと、さらに手間が省けます。



この仕事を始めてから、37~8年になります。
乱視の検査は、放射線視標も参考程度には使いますが、最終的にはクロスシリンダーで通してきました。
オートレフラクトメーターの性能も昔に比べると遥かに進化していますが、
クロスシリンダーで得られる精度での屈折データは得られません。



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