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こちら金沢市のメガネ店OptPal(オプトパル)です

お子様用の弱視等治療用メガネ

以前にもグチをこぼしたことがあるんですけども・・・
→ https://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-1139.html


カボチャだったかパプリカだったか失念しましたが、(笑
何らかの緑黄色野菜の名前の付いた「何とかグラッシーズ」というブランドのお子様用フレームがありまして、
これはそのフレームの鼻当てになる部品です。

200830_1.jpg

この1年で、4個目か5個目になるのかな?
もちろん、同一のお子様です。
まあ、この部品はよく壊れます。


この、何とかグラッシーズ
売らなくても良いなら是非そうしたいです。
自分の信念に反して、売りたくないものを仕入れるという苦痛から解放されたいです。


しかし、他の商品で代替えできるサイズやカラーが無い場合があったりするので、
他の選択肢が無いという最悪の場合には、
不本意ではありますが、
情けなくて涙が出そうになりますが、
断腸の思いではありますが、

背に腹は代えられず
このお粗末なフレームをこれを使わざるを得ません。
(回りくどい表現ですが、お察しください)

ちなみにこのお子様の場合、
40mmというサイズと、
「紫色」への強いこだわりがあり、
選択の余地がコレしかなかったという次第です。



このフレームを不満なくお使いになられているユーザーもいらっしゃるでしょうし、
自信を持って販売しているメガネ店もあるかとは思います。
そのことにケチをつけるつもりは毛頭ございません。
ただし、少なくとも、私には非常に扱いが厄介で、信頼していないということです。
あくまでも私自身の感想ですのでお気を悪くなさらないでください。


欠点を挙げればいくらでも見つかります。
まず素材の欠点。
軽くて弾力性があり、それなりの強度を持つという部分は良いのですが、
顔幅の微調整が出来ません。

200830_2.jpg
(画像のカラーはブルーです)

一般的に使われてきたプラスチックフレームは、温めることにより柔らかくなって
幅などの調整は自由ですが、この素材はその基本的な調整が出来ません。
柔らかくなるまで温めると、フレームを色付けしているトップコートに皺が寄ったり剥がれたりしてムラが出来ます。

200830_3.jpg

頭の形状の左右差とか、左右の耳の高さの違いとか、そういった個性を無視して作られており、
そもそもの骨格的に合わないと使えません。

また、レンズを保持する力が弱いので、レンズが外れやすい傾向にあります。
それを避けるように大きめに削って無理やり嵌め込むと、
レンズが歪んだりフレームが切れたりします。


使っているうちに幅が広がってきて、ズリ下がるようになっても、上述の理由で直せません。
せめて、前枠とテンプルがこのような形状であれば、
200830_4.jpg

ヤスリで削って幅を広げたり、接着剤で盛ったりすることで幅を狭めたりと
フィッティング調整は可能ですが、

200830_5.jpg

これではどうすることもできません。


そしてイヤピース。
ゴム製のようですが、形が全く変えられません。
もっとアールを強くしたい、弱くしたい、と思うことがあっても、形状は変えられません。

200830_6.jpg

テンプルの長さの調整が、非常に大雑把です。
テンプルに刻まれた穴にねじ止めして長さを変える構造ですが、
設定された穴の間隔が3mmなので、3mm単位でしか変えられません。
穴と穴の間に、自分でネジ穴を作ってやれば、それ以下の微調整も可能ではありますが、
そもそもの設計が間違っているとしか思えません、
鼻パッドに1mm厚か2mm厚のアダプターを付けて調整する方法もあるにはあります。
しかし、その分、頂間距離が変わってしまいます。
離す必要が無いのに離すことになるのは本末転倒です。



サイズが38mmから42mm程度の子供枠は、
2歳から5歳くらいの、眼にとって非常に大事な時期に使われるものです。
この重要な時期に、この「何とかグラッシーズ」しか用意できないという暗澹たる現状
非常に情けなく、自分の無力さに腹立たしさすら感じております。

この国の眼鏡業界の技術レベルなら、もっと良いものが作れるに違いありません。
日本の眼鏡フレームメーカーに奮起をお願いいたす次第であります。


金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102 OptPal(オプトパル)

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子供の近視について・軸外収差編

軸外収差」とは

 もうひとつ、近視の原因として着目されているものに、軸外収差による遠視性デフォーカスがあります。
眼は、中心部分を明視するために調節を働かせますが、その結果、周辺部分では網膜後方へのピントのズレが発生すると考えられております。

200822_1.jpg
(眼軸に沿った入射光(青線)は網膜上に結像し、眼軸外からの入射光(緑線)は網膜後方に結像)

この周辺部での遠視性デフォーカスを改善するために、同心円状にレンズの周辺に向かって屈折度数が弱くなっていく(プラス側に移行する)構造、
あるいは二重焦点のものが考案されました。

こちらも複数の論文が公開されております。

Liu Y, Wildsoet CF. (2010)
The Effect of Two-Zone Concentric Bifocal Spectacle Lenses on Refractive Error Development and Eye Growth in Young Chicks


Sankaridurg, Padmaja; Donovan, Leslie; Varnas, Saulius; Ho, Arthur; Chen,Xiang; Martinez, Aldo; Fisher, Scott; Lin, Zhi; Smith, Earl L. III; Ge,Jian; Holden, Brien.(2010)
Spectacle Lenses Designed to Reduce Progression of Myopia: 12-Month Results



 海外の報告では一定の効果がみられたということですが、
以下の通り、日本で行われた多施設共同研究では、効果を証明する結果は得られませんでした。
Effect of spectacle lenses designed to reduce relative peripheral hyperopia on myopia progression in Japanese children: a 2-year multicenter randomized


 以前は、Myopia Control Lensとして、国内でも販売されていたこともあったのですが、
この共同研究の結果を受けてかどうかは存じませんが、現在は販売されておりません。

現在は、臨床試験で効果があったとされる香港では流通しているようですが、
論文にもあるように、特に運動時など、周辺視力の劣化があり、快適に装用できるレンズではないようです。

尚、国内でMyopia Control Lensを販売していたメーカーからは、
現在は、前回のブログ記事に記載のような、調節ラグを減らす目的のレンズが出ております
しかしながら、近視の進行を予防するという趣旨の記述はなく、
成長期の子供のために特別設計されたレンズ、という説明に留まっています。


 軸外収差による遠視性デフォーカスは、
調節ラグと同じく、近視の子にも、そうでない子にも、すべからく起こっています。
やはり近視の発生や進行には、これらとは別のファクターの関与もあると考えるのが自然です。

 現在、近視進行に一定の抑制効果があるものとして、
オルソ-K、遠近両用コンタクトレンズ、低用量の硫酸アトロピンの点眼が知られております。
ただし、長期的な副作用等の可能性も考えられ、現在も研究が進められております。
ご興味があれば、検索すれば、医学論文や、眼科医のHPなどで情報が得られると思います。



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子供の近視について・調節ラグ編

 近視の原因は、実は、まだ完全に解明されているわけではありません。
ただ、有力な説として「調節ラグ」と「軸外収差」が挙げられています。


調節ラグ」とは

 例えば、眼前40cmに置いた本を読もうとするとき、
理論的には、眼は2.50ディオプトリーの調節(ピント合わせ)が必要となります。
ところが私たちの眼は、正しく2.50ディオプトリーの調節をせず、
より少ない量で済ませようとします。
その足りない量を調節ラグと呼び、調節ラグの量だけ、遠視性デフォーカスを起こします
遠視性デフォーカスとは、遠視性のピントのズレのことで、
本来は網膜上に結像すべき光線が、網膜の後方に結像する状態を指します。
正確には、光線が収束し結像する前に、網膜に到達した状態となります。
200821_2.jpg


この遠視性デフォーカスが、眼軸の後方への伸長を促すというのが、調節ラグ説というわけです。

ヒトは生まれたときは遠視であることが多いのですが、
この遠視性デフォーカスを利用して眼軸を伸ばして正視化していくという理屈とも合致しますので、
調節ラグ説がすべてではないでしょうが、原因の一つだと考えるのは合理的に思えます。


 ただし、調節ラグは誰にでもあります。
ちなみに、米国式21項目検査というオプトメトリーの手法の中に調節ラグの測定がありますが、
その中で、モーガンによる調節ラグの期待値は、
単眼で1.00D±0.25D、両眼視下で0.50D±0.25Dと示されております。

つまり、近視の子にも、そうでない子にも、調節ラグはすべからく起こるわけで、
近視の発生や進行には、別のファクターの関与もあると考えるのが自然です。(遺伝なども含めて)



 さて、この調節ラグを少なくして近視進行の抑制を図ろうと、
遠近両用レンズを装用させるという試みがありました。(あります)
二重焦点だったり、プリズム入りの二重焦点であったり、累進レンズです。

Jane E. Gwiazda(2011)
Progressive-Addition Lenses versus Single-Vision Lenses for Slowing Progressionof Myopia in Children with High Accommodative Lag and Near Esophoria


Desmond Cheng, George C Woo, Katrina L Schmid. (2011)
Bifocal lens control of myopic progression in children


Cheng D、Schmid KL、Woo GC、DrobeB。(2010)
Randomized Trial of Effect of Bifocal and Prismatic Bifocal Spectacleson Myopic Progression


Satoshi Hasebe, Chiaki Nakatsuka, Ichiro Hamasaki and Hiroshi Ohtsuki.(2005)
Downward deviation of progressive addition lenses in a myopia control trial


Jane Gwiazda, Leslie Hyman, Mohamed Hussein, Donald Everett, Thomas T.Norton, Daniel Kurtz, M. Cristina Leske, Ruth Manny, Wendy Marsh-Tootle,Mitch Scheiman, and the COMET Group (2003)
A Randomized Clinical Trial of Progressive Addition Lenses versus SingleVision Lenses on the Progression of Myopia in Children


以上、5本を紹介いたしましたが、
論文の中で、他の研究者の論文からの引用、逆に当該の論文を引用した報告など
これ以外にも相当な量の論文が存在することが見て取れます。

それで結論はどうなんだ?という肝心なところですが、
臨床的には有意な影響は無かったとする報告もあれば、効果が見られたとする報告とマチマチです。

一番目の論文、調節ラグが高く近見時に内斜位のある子供という、効果がありそうに思える試験では効果が見られなかったり、
三番目と五番目の論文では、治療効果は有意であるとされました。
四番目は、日本の長谷部先生らの報告ですが、累進レンズが下にズレていた、あるいは、累進レンズの近用部を使わずに見てしまうことで
効果が30%~60%低下したと考えられる、と報告されています。
ただし、長谷部先生は、少ないながらも効果は見られたとされておりますが、
抑制できる量は少なく(年間0.14D)、臨床的に推奨はされないとのことです。


 しかしながら見方を変えますと、逆効果だったという報告は見当たらないので、
少しでも近視抑制の可能性があるならば試してみる価値はあるのではないかとも思います。

もしご希望がありましたら、単焦点レンズと同じ価格でご提供可能ですのでお申し出ください。
ただ、運動時や、横になってテレビを見ようとするときに、
見え方にわずかな違和感があるかもしれません。


 次回は、「軸外収差」について。


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近視の低矯正

以前にこのような記事を記しておりますが、補足の情報です。

近視の低矯正



この記事の中で、
従来は推奨されていた近視の低矯正は、
近視の進行にたいして逆効果という臨床試験の結果が出ている、ということに触れておりますが、
その論文が公開されておりますのでご紹介いたします。(英文です)

Kahmeng Chung(2002)
Undercorrection of myopia enhances rather than inhibits myopia progression

「近視の低矯正は近視の進行を阻害するのではなく増強する」と訳せば良いでしょうか。

結論の要約ですが、
「矯正不足は、より急速な近視の進行と軸方向の伸長をもたらした。」
「近視性の焦点ボケは、すでに近視になっている人間の近視発達を加速させる。」
ということです。


Daniel Adler BOptom Michel Millodot OD PhD(2006)
The possible effect of undercorrection on myopic progression in children
「子供の近視進行に対する低矯正の影響の可能性」と訳してみました。

こちらでは、
「低矯正グループのほうが18カ月で0.17D多く近視の進行が見られたが有意差は無い」との結果で
結論としては
「近視を矯正する場合は完全矯正を採用すべきであるというすでに判明している証拠を支持する」
ということでした。



こうした臨床試験の結果の元に、日本眼科医会の2010年度調査報告では、
低矯正眼鏡あるいは軽度近視を矯正しないことに近視進行の抑制効果は期待できない」とした上で、
しかしながら従来は低矯正のほうが進行を抑制するという考えがあったことから、
近視低矯正で処方するか完全矯正で処方するかについては、臨床現場では判断が分かれていると報告しています。

学校近視の現況に関する 2010 年度アンケート調査報告


夏休みの間に、お子様を眼科に受診させるかたも多いと思います。
メガネの処方を
「弱めにしておきますね~。」
と言われることもあるやもしれません。


近視は低矯正にしておくべきか完全矯正にするべきか、
私には私なりの考えがありますが、お客様に強制するつもりもありませんので、
お客様のご判断にお任せします。


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乳幼児用メガネ

2歳児の治療用のメガネを作ってほしい、と、こういう処方箋(の画像)が送られてきました。

200131_1.jpg


顔の大きさなどは、レンズが届いてからのご来店なのでわかりませんが、
レンズの厚みはさほど問題にならないと思われるので、余裕を持った外形指定(厚みを薄くする方法)を掛けて発注しました。

処方箋の備考欄にあるように
幼児用のしっかりした
耳バンド等提案
となると、もうあのフレームしかありません。

200131_2.jpg
200131_3.jpg

BiBa(ビーバ)」といいます。

ハセガワビコーのベイビー用ということで、こういう命名になったとか。
オプションが用意されていて、これは普通のバンド型ですが、
バンドの形がゴーグル風になったり、たすき掛け状になったりオプションがあります。
耳介に掛けるケーブルと排他的に使用出来たり、共存もできます。
おおざっぱですが、前傾角の調整もできます。

必ずしも、この形がベストとも思えないのですが、他の選択肢がほぼ皆無なので、現状、これ一択です。(情けないですが)
これ以外の選択肢としては、カボチャだったかパプリカだったか、
緑黄色野菜の名前の付いたお世辞にもよく出来ているとは言えない東アジア製の製品くらいです。
こちらはケーブルとバンドは共存する形にしかできません。
前傾角の調整余地もありません。


多くの場合、小児の、治療が必要な斜視弱視は3歳児検診時などで発見されるのですが、
偶然、もっと早い時期に見つかることもあります。
最近も、1歳10か月のお子さんのメガネをお作りしたばかりです。

数は少ないので、市場は非常に小さいですが、
お子さんの眼の成長にとって非常に重要な時期です。
もっと、選択肢が欲しい、もっと安全なフレームが欲しい、と切に思います。

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