名前は伏せておきますが、
昨年発売された「内面累進設計」のレンズを試してみました。
フレームは10年以上前のShilhouetteのもので、名前を忘れるほど古いものです。

このレンズ、売りは、累進レンズ特有のゆれ歪みが少ないとされる「内面累進設計」でありながら、
非常に廉価なことです。
個人的にお客様に推奨している「HOYALUX Syncro」の半分程度の価格で販売できるので、
出来が良いようならば、当店のラインナップに加えようかと思ったのですが・・・・
結論から言って、
まったくダメでした。
この数年内に発売されたレンズは、総じて性能が良くて、
一昔前のミドルからハイエンドなレンズ(一組5万円を超えるような価格帯)に遜色のない性能を持ってましたが、
これはアカン。
掛けた瞬間に遠用側方部の視野の狭さを感じます。
もう「
湾曲」といって良いほどの酷い歪みです。
比較対象のために、まったく同じ度数で作った他のレンズと比べていますが、
同じ度数かと見紛うくらいの見え方の違いでした。
これだと、一昔前の外面累進のちょっと良いやつのほうがマシです。
現在、比較できる度数で所持していませんが、
HOYAの、現状で一番廉価な「ALIOTH」クラスよりも出来が悪いように思います。
「ALIOTH」の元モデル「SUMMIT Premium」を始めて掛けたときには、こんな酷い感想を持った記憶がありません。
「ALIOTH」というレンズは、元有った「SUMMIT Premium」という外面累進レンズの、
ベースカーブなどを簡略化した廉価版です。
ということで、残念ながら、このレンズを販売するのは断念します。
近年、ほとんど無い「ゆれ歪み」というクレームに繋がるのが目に見えています。
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世界的なレンズメーカー、HOYA様より、
「新発売の遠近両用累進レンズのWEBセミナーをしてやるから参加せい、このカス!」「新発売の遠近両用累進レンズのWEBセミナーをするのでぜひ参加してください」とメールが来ました。
「雅N」という名称で、発売以来ご好評を頂いている「雅」をさらにグレードアップしたもの、
ということです。
「雅」は、「極」というHOYA様の誇る両面複合インディビジュアル累進レンズの最高峰の次ぐグレードのレンズで、
一般的な販売価格はいくらぐらいになるのかな・・・・・?
おそらく屈折率1.60素材のレンズで1組60,000円をくだらない程度、
1.74素材だと10万円を超えてくるようなイカれた価格設定のレンズです。
誰が買うねん?って感じの異世界のレンズです。
当店では販売することもないので、価格表に記載すらしておりません。それがグレードアップしてるようなのでさらに高くなるのかな?
うーん、ぶっちゃけ、Wellnaで十分じゃね?
左右差があるとOptinaがいいかもね?
でも、俺はSynchroで満足してるよ。
メーカーが、モニターとして提供してくれるなら掛けてみたいとは思いますが、
自分でレンズ代を払って使う分には、
値段が半分くらいのSynchroで十分です。
とか書くと、また、「もっといいレンズ売ってくださいよー」、とか言われるのかな?金沢市西念4丁目19-26 プレイヤード102
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幸い、当店ではまだ経験は無いのですが、
他店の経営者のかたから、
「累進レンズの度数が処方度数と違っている」という眼科からのクレームを受けたという話を聞きました。
これは、もう20年ほども前から危惧されていたことです。
レンズの度数を測るレンズメーターという装置は、面屈折力を測定しています。
しかし、現代の累進レンズは、処方度数を透過度数で得られるように各種の補正を受けているため
面屈折力と乖離があることも多いです。
レンズの袋には、「処方度数」と「確認度数」の両方が記載されていたりしますが、
特に乱視度数や乱視角は両者で違っていることが多いです。
レンズメーターの度数を0.25Dステップにしていたりしますと、
例えば、0.11Dが0.00Dと切り捨てられたり、
0.13Dが0.25Dへと切り上げられることもあります。

これはHOYAさんが配布している資料の一部なのですが、
これは眼鏡店に向けて配布されるべきものではなく、
全国の眼科さんに向けて広く広報するものではないでしょうか。
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ピントを合わせる能力、いわゆる調節力は、年齢と共に衰え、人は誰でも老眼になります。
諸条件によって個人差は出てきますが、
おおむね40代の前半、遅くとも後半くらいには自覚することになると思います。
その時どうするか?
遠近両用コンタクトとかモノビジョンなどの方法もありますが、
一般的にメガネで矯正する場合の選択肢としては以下が考えられます。

左から
青・遠近両用
緑・遠近両用(中近重視)
橙・室内用レンズ(以前は「中近」と呼ばれたもの)
茶・デスクワーク用(以前は「近近」と呼ばれたもの)
桃・シングルビジョン(単焦点の老眼鏡)
室内用レンズも、見え方の違うレンズが用意され、数年前に比べて選択肢は増えてきました。
遠近から、室内用レンズまでは基本的には同じ設計です。
https://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-1626.htmlhttps://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-793.htmlアイポイント(水平方向遠方を見たときに視線が通る位置)での加入度の違いと、
累進帯(度数が累進的に変化していく箇所)の長さの違いです。
(それに伴って設計も変わってきますが)
遠近では、アイポイントでの加入度数付加が0%
中近重視の遠近では、同10数%
室内用レンズでは、同20数%、同40%前後
メーカーによって多少の差異はありますが、
アイポイント付近で付加される加入度の違いが何種類か用意されておりまして、
「その中から自分に合うものを選んで使え」
と言っているわけですが、そんなの一般の消費者が選べるはずもありません。
当然、私たち、眼鏡技術者と呼ばれる者がアドバイスしないといけないわけです。
で、全部試してみました。
自分の眼で確かめないとお客様に薦めることもできませんので、眼鏡技術者としては当然の務めです。
なかなか一つのメガネですべてを賄えるものではなくて、
遠近と室内用とか、中近重視の遠近と室内用とか、
シチュエーションに応じて使い分けるほうが、見え方のストレスは少ないですが
掛け替えるストレス、というものも存在するわけです。
一つで何とか万能に使える可能性もあるにはあるのですが、
見え方の要求については、個人差もありますし、
現在の視生活との違いによっても変わってきますので、必ずしもうまくいくとは思えません。
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加齢性遠視(老人性遠視)については過去に何度か書いておりますが、
現在、この普通に起こるイベントが自分に起きている真っ最中でして、近視の度数が大幅に減ってきました。
裸眼での遠見視力が少し良くなる、レンズの厚みが減る、などのメリットは有りますが
逆に、手元が見えにくい、レンズの度数が変わる、などのデメリットもあるわけで、
自分のメガネのレンズ交換も必要になってきました。

今回は、同時に3本のレンズ交換です。
度数は全く同じで、上からすべてHOYAの累進レンズで、
・ウェルナ・フィールド
・シンクロ・フィールド
・スペクティHG・フィールド
となっております。
違いは、主に累進構造で、上から
・両面複合累進
・内面累進(両面シンクロ)
・内面累進
です。
累進構造の違いは、過去に書いております。
https://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-1025.htmlhttps://optpal.blog.fc2.com/blog-entry-1038.html見え方の違いは、掛け比べて見ると、実に良くわかります。
値段の違いほど違わねぇー(笑もちろん、違いはあります。
中間部の視野の広さ、遠用周辺部の像のシャープさ、足元の浮き上がり感や、顔を振ったときの足元の揺れなど、
値段の高いレンズのほうが確実に性能は上です。
ただ、スペクティーの1.5倍の価格のシンクロ、同じく1.75倍のウェルナ、
この価格差に見合うほどの違いかというとそうでもない気がします。
少なくとも、ウェルナなら掛けられるけれどもスペクティーだと無理、
というような極端な例は、おそらく起こらないと思います。
まあ、ご予算が許すならば、ウェルナを選んでおけば間違いない、とは思います。
フィールド(通常の遠近)とシティー(中近重視の遠近)は生活習慣に合わせてお選びいただけます。
尚、今月、HOYAより最高峰のメガネレンズ「HOYALUX 極」というレンズが出ました。
両面複合累進のindividual設計のレンズです。
前傾角、頂点間距離、そり角等のパラメータを考慮してレンズの補正を行うものです。
それについては思うところもありますので後日書こうとは思うのですが、
ちなみに価格は、スペクティーの4倍超です。
高屈折やらその他オプションを付けると10万円を大きく超えていくような価格設定です。
誰が買うねん!もちろん、性能が良いのは間違いのないところですが、
果たしてその性能の違いを、わかる人が居るのだろうか・・・
良いレンズを使っている、ということで、安心感とか所有欲を満たせる需要というのはあると思います。
ただ、私だったら、HOYALUX紬とか極というハイエンドなレンズを買うなら、
ウェルナのフィールドとシティー、フィールドとルームといった、目的の違う累進レンズを
2つ購入するほうが、日常生活に便利でお得、じゃないかと思っております。
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