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ドイツ式両眼視機能検査

昨夕、
「HPを見たのだが、そちらではドイツ式の両眼視機能検査をしているのか?」
と言う趣旨の電話がありました。
「yes」でもあり「no」でもあり、「yes」でも無く「no」でも無い、
説明すると長くなる話ですので、ちょうど来客中ということもあってお返事は出来ませんでした。
大変失礼いたしました。


両眼視機能検査は、ドイツ式のものとアメリカ式ものがあります。
もしかしたら、他にもローカルなものはあるかもしれませんが、
一応この国ではドイツ式とアメリカ式がメジャーとされています。


両者には大きな違いがあります。
細かな違いは端折って、大雑把に(←ここ重要)違いをあげると、
ドイツ式ではZEISS社のPOLA TESTという偏光視標を持つ視力表を使って検査しますし、
アメリカ式では、フォロプターという装置を使って、フォン・グレーフェというプリズム分離法で検査します。

前者は、融像刺激が残る「一部融像除去眼位」が得られますし、
後者は、融像刺激を排除した「融像除去眼位」が得られます。

また、前者は、運動神経性融像はもとより感覚神経性融像に潜在するわずかな固視ズレも炙り出そうとしますが、
後者は感覚神経性融像を可能たらしめる最小限の運動神経性融像を補助するとの考え方をします。
つまり、前者は漏れ無く最大量のプリズム矯正を行うものであり、
後者は最小量のプリズム矯正を行うものと言えます。


それで、当店ではどうなんだといいますと、
ドイツ式と同じく、偏光視標を使って一部融像除去を測定しています。
私たちは普段、融像刺激のある環境で両眼視をしながら生活していますので、
融像除去眼位よりも一部融像除去眼位の方が、より自然な状態の眼位を測定できると考えるからです。
そして、両眼視機能のみならず、両眼開放屈折検査とのシームレスな連携が可能になることが、
偏光視標を使うもっとも大きな理由です。、

しかし、ZEISS社製のPOLA TESTでは無く、NIDEKとTOPCONの偏光視標を使っていますので、
この時点で正統派のドイツ式とは言えません。
NIDEKの視力表では、POLA TESTと全く同サイズの偏光視標が使えますので、同じ結果は得られるはずですが、
ドイツ式ではZEISSのPOLA TESTを使うことが前提ですので、
それ以外の視力表を使用しては、ドイツ式と標榜するのは無理があるのです。



また、ドイツ式では、第二立体視視標と立体視標の前後反転を駆使して、
感覚神経に潜在する微小な固視ズレまでも補正しようとしますし、それがドイツ式の肝だと思うのですが、
この検査は、被験者の曖昧な感覚や、検者の誘導に左右されやすい微妙なもので、
私にはエキスキューズを感じる部分ですので、後述する理由と合わせて私はさほど重視してはおりません。
ですので、偏光十字、コの字、時計、立体視標など、
ドイツ式と同じ、一部融像除去眼位を検査してはいますが、この点でも正式なドイツ式とは言えません。


ドイツ式両眼視機能の論文に、
POLA TESTプリズム法、ショーバーテスト(色分離法)フォングレーフェの3者を比較したものがあり、
他のテスト比べて、POLA TESTは、より多い量のプリズム矯正をする、という結果があります。
感覚神経に潜在する固視ズレまで矯正しようとした結果だと思います。
このわずかな固視ズレが、感覚神経性変化を起こして両眼視機能が損なわれると考えるのがドイツ式で、
被験者の持っている融像力を最大限に生かすすように最小限のプリズムを与えるだけに留めるべきというのがアメリカ式です。
シェアードとパーシバルが発展させた矯正規則はまさにこの部分になります。


プリズムで斜位を矯正すると、眼位は安静位に近づきます。
外斜位の場合は外側に、内斜位の場合は内側に視線がズレます。
小さなプリズム量ですと外見上の変化はほとんどわかりませんが、
大きな量のプリズム矯正では視線が大きくズレてしまいますので、
美容的な意味合いで、大きな量のプリズム矯正はしにくいという側面もあります。
また、大きなプリズム矯正には、空間の違和感や、レンズが厚く重くなるなどの物理的な問題もあるので、
良好な両眼視機能が維持できる最小限のプリズム矯正に抑えたいというのが、
前述の理由の一つでもあります。


他にも言葉が足らない部分がいくつもあるとは思うのですが、
電話でのご質問に端的に「yes」だとか「no」だとお答え出来ない複雑な事情があるわけです。

私のやり方は、ドイツ式がベースにはなってはいますが、
むしろ、両眼開放屈折検査のパイオニアである花井譲氏と岡本隆博氏の提唱するメソッドを取り入れた
花井・岡本式と言えるものかもしれません。

ご期待に添えず申し訳ございません。


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